「エリザベート」

  • 梅田コマ劇場   20列58番
  • 演出  小池修一郎

いろいろ各方面で話題だったので(笑)内野さんバージョンを見て参りました。なんか、考えてみれば東宝とか四季とか宝塚でやっているこの手のミュージカルを見るのってこれが初めてだったんだわ・・・ということを痛感しました(笑)ロンドンで『オペラ座の怪人』とか見たけど・・・こんなのだったかなぁ?もう、あまりにものべつまくなしに歌っているのでそれがまず驚きでした。「〜が攻めてきます」とかいう軍事会議もすべて歌。もう何しろすべてが歌。ちょっとセリフを喋ったらもう歌。しかも展開が早い!!!さっき女を使って陥れる作戦を練っていたと思ったらもうエリザベートに性病が感染してるし。(って性病っていうのはどうなのか?)皇太后あんなに元気だったのにあっという間に死ぬし。まあエリザベートの生涯やろうと思ったらそれぐらいのテンポは必要なんだと思うんですが。

ちなみに、私がこれをなんで見ようかと思ったかというと、皇太子ルドルフの歌う歌に「僕はなるんだ強い英雄に/昨日も猫を殺した/でもちょっとかわいそう」というものすごくシュールな歌詞があると聞いたのがきっかけだったんですけれども(笑)もうそういうよこしまな間違った発想から見ているものだからものすごくいろいろツッこみたくなってしまいました・・・ルドルフが死ぬ前に母親に助けを求めているのに「しらんがな」みたいなことを言っておいてその後ルドルフが自殺して気も狂わんばかりに嘆いてたけど・・・どうよそれ!とか。それにトート閣下いるところに我らありみたいな、いわゆるトートダンサーズがもう・・・・・空前絶後。3時間ほぼ全編梅コマ武富士状態とでも言いましょうか。ものすごく高いダンステクニックをこれでもか!と披露しすぎなほど披露して下さって・・・・最後エリザベートが死の(トートの)誘惑に負ける一番いいシーンで柱から上半身裸で乗り出して舞うのは果たして必要だったのでしょうか?(笑)おかげでセットがものすごく揺れて気になってたらもう舞台が終わっていた・・・・

ってこんな感想ではさすがにしょうがないのでマジメに書くと、やはりミュージカルは歌だなぁと。痛感したわけでございます。当たり前やろ!といわれそうですが、ストレートプレイだったら長ゼリフとか、そこのセリフは立てて、とかあるわけだけど、これは立てるほど長いセリフないからなぁ。その代わりに歌があると。だから、皇帝と結婚して宮廷の厳しさに項垂れたエリザベートが大きなドアのセットを開けて「私は私らしく自由でいる」と歌うシーンはかなり感動しました。場面の力もさることながら、一路さんの歌の力に。そういう意味では内野さんは。いろいろ激しくて楽しいんだけど歌で感動するにはまだちょっと、という感じでした(まあ文学座出身なんだからね)。