「Long Distance」  MOTHER

とにかく、おつかれさまでした、と、ありがとう、という感じかなぁ。沢山楽しい舞台をありがとね、と。やっぱり最終公演っていうのはお互いの「ありがとう」の為にあるようなものだと私は思うので・・・

男たちの挽歌好きが高じて、というのがよくわかる舞台で(笑)でも、舞台でよくあれだけの世界観を醸し出せたなぁと感心しきり。香港独特のうさんくささも充分にあって、小道具が海賊版CDってのもらしくて思わずにやり。個人的にはちゃんと「言葉が通じない」って設定を貫いてるのがすごいなぁと。しかもそれがきっちり伏線になってるしねえ。舞台とか(映画でもだが)なんかしらん間に言葉が通じてたりするじゃん。「通じない」ってことをここまで活かしている脚本ってのはすごいかも!と思いました、はい。

キャストのみんながそれぞれカラーが出てて、楽しい公演でした。升さんの升さんならではの格好良さも充分堪能させてもらったし。宮吉さんかわいかったなぁ。やっぱり、牧野さん・宮吉さん・升さんの三人が揃うとものすごい安定感ありますよね。その辺のファンの心情もよくふまえたキャスティングで、えらい、と私は思いました。客が観たいと思ってるものを観せる、というのが実はなかなか難しいことなんだよなーとも思うし。客演の近江谷さんも、なかなかおいしい役所でよかった。なんであの人あんなに派手なスーツが似合うんだ!?(笑)

最後の牧野さんと升さんの語りは、もう照れるぐらいに真っ直ぐな私たち観客へのメッセージで、やっぱり、お疲れ様でした、ありがとう、と心の中で言わずにはおれませんでした。MOTHERが今まで築いてきた観客と創り手の信頼感の賜物というか・・・変な言い方かもしれないけど「いい最終公演」だった思います。
またそれぞれみなさんの姿を舞台で拝見することも多々あるかと思いますが、その時を楽しみに。