「ダブリンの鐘つきカビ人間」

  • シアタードラマシティ  10列25番
  • 脚本  後藤ひろひと   演出  G2

霧の中、ある屋敷に迷い込んだ男女は、その屋敷の主から不思議な話を聞く。昔、ある街で奇妙な病気が流行する。異様に目が発達したり、羽根が生えたりその症状はさまざまだ。心と体が裏腹になる病気にかかった街の嫌われ者カビ人間は、自分の考えていることと逆の言葉しか出てこないと言う病気にかかった少女"おさえ"に恋をしてしまう。街の病気を鎮めるためには「ポーグマホーン」という奇跡をおこす剣が必要だというが・・・・

面白かったっす!!話の展開も最後のどんでん返しも、チープ感満載のくだらないギャグも役者もすべて言うこと無し!!毒と涙と笑いが心ゆくまで堪能できます。イイ芝居だ〜〜。

ラスト、あれ?あっさりこれで終わり?んなわけないよね?と思っていたらやっぱり・・・。でもあのオチがものすごく舞台を締めてると思うなあ。各々のキャラクターも、ものすごく膨らませそうな設定てんこもりなんだけど、あえてあっさりと一気にラストまで見せちゃうのが凄いような、勿体ないような。遊気舎時代の大王作品をG2演出で、っていうコンビは人間風車の時と同じで、人間風車は後味よくしていたのでこれも感動で終わらせるのかと思いきや。でもあのラストはやっぱ必要だよね。童話の怖さが一気に目の前に立ち上がってくる感じ。ああいう余韻持たせるやつ、大好き!

キャストもほんと、全員が役回りを果たしつつキャラも活かしつつ、お見事でした。私的には何と言っても橋本さとしさんの戦士に☆を5つぐらいあげたい気分。もーー大好きなんですよああいう芝居が!客席も他のキャストもすべて置き去りにしてあがり続けるあのテンション!立ち回りの見事さ!!それに馬!!(笑)「997!(キラーン)」のとこなんか、あまりのバカ格好良さにくらくらきたぞ。あのシーンのためだけに遠征を本気で考えてます。タイトルロールの大倉くんも良かったぁぁ!!もう、途中のシーンであまりの大倉くんのかわいさに舞台駆け上がって抱きしめたい衝動に駆られたぞ。かわいいよう〜〜なんでそんなにかわいいんだよぅ〜〜〜。今回は泣かされたよ・・・(泣)長塚さんの役も情けなさが超キュート。プレスリーのかわいさ&情けな感にまたもやくらくらきたりして。

成志さんは「天保」から間がなかったので抑えめの役所かと思いきや、ものすごい出ずっぱりで驚いた〜。渋さも面白さもテンションの高さもキチッと使い分けていてさすがだなぁと。山内さんもよかったなぁ。わる〜い役がよく似合う(笑)及川さん初見だったんですが噂に違わぬ顔の綺麗さ。こういう客演でまた観てみたいなーー。初舞台のエンクミちゃんも、声の通りが想像以上に良くてビックリ。役の切り返しがちょっとパターンかな、と思いつつ、しかしあの低音の迫力はまた舞台で見てみたい。水野さんも役ハマってたなぁ。若松さんはねえ、なんというか・・・さすがです。出てくるだけで舞台を締めるというのはこういうことか!と言わんばかりの存在感。凄い、マジで。

くせ者役者揃い、と言われた今回の舞台ですが、くせ者と言われるのも実力あったればこそ。まあ一番のくせ者は大王なんでしょうけどねえ・・・(笑)

実は、東京まで追っかけて見に行った。気に入ってたんだねえ。カーテンコールで挨拶するとき、中央に若松さんがいるんですが、去り際一瞬だけものすごく邪悪な笑顔を見せて去って行くんですよ!もうそれ見たとき椅子からずり落ちましたもん。たまらん。