「南半球の渦」

  • 伊丹AIHALL  B列9番
  • 作・演出  土田英生

いやー相変わらずちくちくクる話だった・・・。会社の忘年会でオーストラリアに来た一行、真面目でコツコツ頑張るけど要領も悪くて実績も挙げられない結城と、ちゃらんぽらんでいい加減なのに成績もよく出世していく茂木。ここまでの設定ならよくある話なんだろうけど、土田さんの違うところは結城が茂木とわかりあったりしないし、茂木も改心したりしないし、結城はどんどん墓穴掘るし、全然ラストもすっきりしない。でもそういうところが好きだなぁ。
しかしそれにしても結城の後半の痛さは見ていてつらくなるほどでした・・・。

役者さんの中では柳さんをやった西野さんが秀逸でした。登場した時はああ、いるよなこういううっとうしい子、って感じだったんですけど、櫛田さんとの絡みでどんどんその深読みに味が出てくる所とかすごく良かった。月を見るシーンは土田さんがきれいに描いているというのもあるんだろうけど、すごく印象深かったなぁ。

近江谷さんの情けなさ過ぎる男の役というのも新鮮でよかったなぁ。植本さんの破天荒な社員って想像つかなかったんだけど、結構はまってましたねえ。水沼さんはさすがの存在感、水沼さん見てるとこれをMONOの役者さんでやるとどうなるのかなぁと思ってしまいますね。