「西へゆく女」 オリガト・プラスティコ

正直なところ確かに全然わかっちゃいないんだろうなあ私、とは思いながらも、こんなほったらかされ具合も嫌いじゃない(笑)。というか、筋立て自体は、ある「謎」が中心にあるのでまだ追いやすくて助かったというか。しかしケラさん演出なんだけど、岩松さんの「翻訳劇」みたいな感じが随所にあって、それは岩松さんのあの微妙なニュアンスを生かすためなのか、生かそうとして上手くいっていないのかいまいちわかんなかったな。時々すごく板に付いてないと感じてしまう部分があって気になりました。

広岡さん全然悪いわけではないんですが、同じ戯曲を「円」で岸田今日子さんがやるというのを聞いてしまうとどうしてもそっちが気になってしまいます。もっと説明不可能な存在感みたいなのがハルという役には必要なのではないかなとか。宝生舞さんのトキはう、うーん。まあ前半はアレも持ち味かなとか思うんですけど、最後ヤマネ先生問いつめるあたり、もうちょっと別の狂気じみたとこが出た方がよかったような。いっけいさんは岩松さんの台詞に寄り添うというより、力づくでねじ伏せて自分のものにしている感じ。いやーさすがだなと。相当不思議な台詞のやりとりもちゃんとおかしく見せて下さってました。阿佐スパではちょこっとしか見られない役者・長塚圭史が見たいというのが足を運んだ一番の理由ではあったんですけど、ええ、満足しました(笑)最後かなりほったらかされーな役なのでもうちょっと違う部分も見たかったですが、まあ可愛いので全然許します(←だめなファン・笑)