「3つの事情」 泪目銀座

同じシュチュエーションの物語を、男女二つのバージョンでやってみようという公演。出来ればどちらも観たかったんですが男性版はどうにもこうにも仕事で行けず、女性版のみの観劇。結婚相談所の旅行ツアーに参加した女三人。それぞれ別の事情を内に秘め、「愛のオオミミズウオ」への祈りは果たして届くのか?

初っぱなに物語を面白くするためのある「誤解」が仕込まれてあって、中盤まではその誤解でやりとりをおかしく見せてくれるんだけど、しかしそれにしては引っ張りが弱いかなあと思った。どうしても男の人とつきあえない女性、清水さんのキャラ設定にかなり無理があるような気がしました。西牟田さんも掴みかねてるのかもしれないけど、ちょっと役柄が散漫な印象だよなあ。「誤解」の部分も含めて、やっぱりこの話の中心は清水さんだと思うので、そこが定まらないとなんだか舞台そのものもぼんやりした印象になってしまうというか。脳内で話を男に置き換えただけでも、そっちのほうがしっくりくる感じがあるので、男版を見れなかったのは何とも残念。

西牟田さんはそうはいってもさすがにそれなりに面白く見せてくれるし、櫻井さんも若干の噛みは気になったもののかなり好演かなあと。声もいいし、キレイだしねえ。しかし女版は有る意味山下容莉枝さんに尽きるのではないかと。うまいわ可愛いわ、いやーーもっと舞台出て下さいよ!かなり容莉枝さんの魅力で救われている部分大きいんじゃないかなあ。「信用」の話をする部分も、微妙な会話のトーンで笑いを生むところも、さっすがだなあ!!という感じ。