「It Runs in the Family 〜パパと呼ばないで!」

  • 厚生年金会館芸術ホール  B列32番
  • 作 レイ・クーニー  演出 山田和也

上川さんが近江谷さんと舞台!というのを聞いて本当に本当に嬉しくて、なのに某掲示板などで「出演者がしょぼい」と言ってるのを見てうーわーそんな風に思うのかもうがっかりだな!と思わず上川さんの好感度まで下がってしまったのだが、雑誌のインタビューとか今日買ったパンフとかで上川さんがもともとこの芝居が「近江谷となにかやりたい」から始まった企画だというのを聞いてまた好感度があがってしまった。株価乱高下ですね。っていうか私が左右され過ぎ?

二人が一緒にやるのが6年ぶりというのにまた驚く。6年ぶり〜〜〜!?でもとてもそうは思えないコンビっぷりで最高でした。あーやっぱりこの二人イイ!!キャストクレジットの順番だって、上川さんの次に近江谷さんでいいと思うけど、まあそれは大人の事情なんでございましょう。むしろ大人の事情があってもヒューバートを近江谷さんでやらせてくれてありがとう〜〜〜!と思った。おかげで二人のコンビを思う存分堪能できましたよ。

脚本的には二幕「え??」と思うところがなきにしもあらずだったのですが(スピーチが結局うまくいくとことか)、でもウソがウソを呼び、誤解が誤解を膨らませるコメディの楽しさは充分に味わわせていただきました。最後のローズマリーとヒューバートのオチも好きなんだけど、あの感じだと「ローズマリーの嘘」みたいな感じに見えちゃうと思ったのは私だけ?っていうかヒューバートが絶対そんなこと出来そうにないキャラに創ってあったからかもしれないけど。あ、でももしかしたらその意外性がいいのか。「ってことは騙されてたのは実はモーティマー!?」みたいな。なるほどなるほど(今気づくな)。

キャストの皆さんもそれぞれ味があって役にはまってたなあと思う。個人的には見事な女装ぶりを見せてくれた湯澤さんと、さすがに会話で積み重ねるコメディはお得意な峯村リエさんが素晴らしかったと思う。近江谷さんのヒューバートも言うことなし〜〜〜!役おいしいっていうのもあるけど、どんなにドタバタになってもある意味すっとぼけたまま「あわててる」ヒューバートの味を良くだしていたと思う。叫び声の真似からミュージカルシーンをやってみせるところは最高!上川さんも光速ツッコミ健在でくるくる変わる表情も魅力的で良かったあ。しかし上川さんのテンションがあまりにも高いので見てるとちょっと疲れる部分もあり。まあ上川さんがあそこまでテンションあげているおかげで、まわりのすっとぼけた味が生きているとも言えるしね。舞台上の混乱を一手に引き受けているわけだし、名前やきっかけは絶対間違えちゃいけないし、それを難なくこなしているように見せれるのはさすがだなあと思いました。しかし、ファンの方々のリアクションがいちいち大きいのはちょっと参った・・・。私が見た回で上川さんがバーのところで滑ってコケかけちゃって、そしたらもう客手ぇ叩いて喜ぶ喜ぶ!おかげで「きみのスピーチ原稿は素晴らしかった」と言いに来たサー・ウィロビーの台詞がそのシーンほっとんど聞き取れなかった(拍手がやまなかったため)。いやいや、嬉しいのはわかるけど台詞が始まったら聞こうぜ!と思ったり。

モーティマーとヒューバートのちょっとした台詞のやりとり(「ヒマラヤで」とか)やカーテンを閉める間合い、表情、実に素晴らしい阿吽の呼吸を見せていただいて私の観劇目的は120%達成されました!って感じ。またぜひ、二人で何かやってね♪