「八月納涼歌舞伎 東海道四谷怪談」

色々なところでネタで出てくるので一度は是非見たかった「東海道四谷怪談」。全体的に話は知っていてもおおこれが髪梳き!とか生で見る有名なシーンにどきどき。それにしても勘九郎さんが大活躍で大活躍ですごかった!あまりにも八面六臂(うーんこの単語がここまで似合う人も珍しい)の活躍でもうどこを見ていいのやら。そうそう、私は実は福助さんが大好きなんですけれども、久しぶりに拝見できてすごく嬉しかった〜。

橋之助さんの伊右衛門の悪っぷりも印象深いんですが、伊右衛門の裏切りを知ってからの岩の情念炸裂ぶりが凄まじかった。髪梳きもすごかったですけど、その前、伊藤家に対して「口惜しや」と震えながら言うところのほうがぞぞぞっときました。怪談としてはここまでの方がぞっとする感じがあって良かったかな。「三角屋敷」がカットされているようで、舞台番の染五郎さんが解説をしてくれました。三角屋敷までやっちゃうと、その日の内には家に帰れないそうです(笑)

大詰めの趣向を凝らした数々の演出も楽しいのですが、演出先行という感もなきにしもあらず。2幕までの情念先行みたいな感じが結構好きだったのでもっとじっくり怖くてもよかったかなあ、という気はします。客席に現れるお岩さんに対する客席の反応が非常に素直で怪談話を盛り上げていたような気がします。