「ミス・サイゴン」2回目

  • 帝国劇場 1階M列32番

2回目。本日のプリンシパル

エンジニア 筧利夫
キム 笹本玲奈
クリス 井上芳雄
ジョン 岡幸二郎
エレン 石川ちひろ
トゥイ 泉見洋平
ジジ 平澤由美

前回とかぶったのはエレンとジジ、そしてもちろんエンジニア様(様?)です。高橋さんのエレン、松さんのキム、市村・橋本両氏のエンジニアを結局見逃してしまったのは残念。

2回目なので、もう話も分かってるしまた違う見方になるかなーと思いつつ、基本的にやっぱり話は好きじゃないということはよくわかりました。今回は最初の「ドリームランド」のところでかなりぐっと引き込まれたので、「おお、今日はもしかしてのめり込んで見れるかも!?」と思ってみましたがやはり二幕目でどうしても冷める。井上クリスは一幕はもう若さ爆発!である意味キムと一瞬で恋に落ちちゃう!って感じにはすごく説得力があったのだが、二幕目でも当然若いままなので(当たり前)、むかつきも倍増するという結果に。それにしても井上&笹本はもう素晴らしく暴走カップルでそれはとても見ていて面白かった。「世界が終わる夜のように」がやっぱりすごく好きなナンバーなんだけど、二人がバルコニーに向かって「うーたーーーーーーーー♪」と叫んだときにはもうバックに大きく「バカップルーーー!!」と書きたいぐらいのほほえましさであった。岡さんのジョンは個人的に超・好・み!!もともと岡さんの歌う「ブイ・ドイ」をテレビで見て「(こんな凄い人が出るなんて)筧さん本当にミュージカル大丈夫なのおお!!」と不安に駆られた私としては非常に楽しみにしておりました。細身の身体にGIの制服が良くお似合い。「ブイ・ドイ」も素晴らしい熱唱で聞き惚れ〜〜〜。泉見さんのトゥイは非常に演技が濃くて、これもとっても私好み!ある意味やりすぎではないかというようなリアクションの数々がとっても楽しかったです。

さて、筧さんですが。いやーもう登場した瞬間に私は気がついたね。「これは違う!」と。8月に見たときのあのテンパった感は今やどこにもない!底光りするエンジニアっていうのかしら、身体の奥底にギラギラした物を持ってる感じがすごくある。「陽気で愛すべき」という部分より、エンジニアの飽くなき執念というか、そういうものに役の支点を持ってきて作っているような印象。華やかで陽気で「アメリカンドリーム」なんて歌っちゃうけど「その夢は叶わないんだろうな」という切なさじゃなく、「絶対どうにかして夢にかじりついてやるぜ!」という意思があちこちに見えるエンジニアでした。それが役の解釈として正しいのかどうかはともかく(笑)、わたしはもうメロリンラブでございましたよーーーー!!!最後キャデラックに乗ってこちら(観客)に向かって手を広げた瞬間、帝劇をぐっと掴んだというか、いやむしろ掴まれてるのは私だけかもしれないが、こ、こ、こ、これよこれ!!!!!と思わず胸の前で手を組む乙女ポーズ。ああ、筧さんを見ていると、今、世界に私とあなただけ(←本気でお痛い)と思えてしまう瞬間があるのだが、それは私が恋に落ちているからか!?

出だしの「ドリームランド」の歌がすごく安定しているので、歌唱的にもスムーズに入っていけてる感じがします。無理矢理なビブラートもなくなったし、低音もかなりがんばってる。インタビューで「音程が大事だって気がついた」と、ミュージカルファンの方が聞いたら憤死しそうなことを言っていましたが(すいませんすいません)、テンションと音程のバランスの取り方もすっかり把握したようで、こちらがはらはらするような場面はなかった気がします。「アメリカンドリーム」でのダンスはもう、何回見ても飽きない格好良さ!

床下から昔の派手なジャケットを着て歌う場面(「生き延びたけりゃ」かな?)で、ジャケットの袖を通すときにどうも裏地の方に腕が入ってしまったらしく腕を出すことが出来なくて、見ていても「あ、まずいじゃん!」と思っていたらあのひと、裏地突き破って腕出してたよ!(笑)一旦脱いで着直す、とかじゃなくて裏地までも突き破る筧利夫のパワー(なんか違う)に思わず「これが筧利夫よのう・・・」と思ってしまった私は変なのでしょうか。