髑髏城の七人/アカドクロ 映画版

梅田ブルク7でアカドクロの上映を見てきました。映像は東京の新国版。会場のシアター6は満員御礼。すごいな、2500円なのに。普通に考えて高いだろう。ちなみに私はFC会員なんで安く見れるにも関わらずわざわざe+でチケットを定価で買った。早い話が申し込みを忘れてたんだけど、あれ実際FCの人が前の方の席だったりしたんだろうか。だとしたらこんな時にばっかりいらん配慮するなって感じであろう。私はぴあで買おうかe+で買おうか迷ったんだがe+なら後方席がくるに違いないという普段のチケ取りでの教訓を生かしてまんまと最後列のど真ん中をゲット。映画を見るには最高。さすがe+。

アカは渋い黒澤映画、といのうえさんも言ってましたが、アカはだから色使いも地味なんだ。映像にするとその暗さが大分ネック。天魔王と蘭兵衛のショットなんて黒+黒で画面見ててもうーわ黒いよ黒いよと何回呟いたことか。邪鬼丸も黒いしな。唯一白いのは捨の着物と刀だけ。どんなだ。
映像の切り取り方としてはかなり満足な出来。板さんのディレクションじゃなくてここまで満足したのは初めてかもしれん。殺陣の撮り方は人の好みによって別れるだろうと思うので措いておくとして、うわーここはこっちを拾ってくれよ、とはっきり思ったのは2カ所ぐらいだった。捨の「見切ったっつってんだろ?」と兵庫の「お前がクズだと・・・」のところかな。兵庫のところは兵庫を撮りたし他の4人の顔も抜きたし、でちょっとどっちつかずになった感じ。いいんだよあそこは兵庫で。←勝手な言い草
あ、あと蘭の「強いな、お前は」はもうちょっと寄って欲しかった。あそこの水野さんの表情良かったので。
しかしなんと言ってもこのディレクション最大の功績はラストのスローモーションの部分だろう。あそこで檄を飛ばす家康を7人にかぶせて、最後「待て・・・!あれは、天魔王か・・・?」で家康の寄り、そこに捨のスローモーションのシルエットをかぶせる!
素晴らしすぎだ!
いやもう他のどんなショットをミスったとておつりがくるような素晴らしいカットだ。号泣。感服。万歳。

でもって映像で見るのと舞台でみるのとはやはり違うのだなあと改めて実感した。端的に言えば古田さんやじゅんさんは舞台で見たそのままの良さ、ぐらいだが、坂井さんの極楽や水野さんの蘭は3割増ぐらいでよく見える。当たり前だが映像において「ビジュアル」というのはすごい威力を持つのだなと。水野さん、だって顔綺麗なんだもん。もちろん表情も良いし。極楽の坂井さんなんて私新国で見たときはどーしようかと思ったが(ぶっちゃけるな)、同じ新国版なのに可愛くて健気で必死な感じに泣けたもんなあ。
誤解しないで欲しいんだけど「やっぱ顔が良いと得だね」とかそういう話ではないんでございますよ。この二人は映像だとより「届きやすい」芝居なんだよな。でもそれも大阪・東京の厚生年金では舞台でもきっちり「届く」芝居になっていたんで、私としてはそっちも是非観たかったなあと思う。それになんと言ってもあの蘭の演出が残らないのは哀しすぎる〜〜〜。
会場でアンケート用紙配ってたんだけど、私もこの客層ってすごく気になるなー。パッと見、舞台の時より男性客率が高い気がした。舞台を観た人が殆どなんじゃないかと思いつつ、今まで気になってて見たいと思っていたけど高いしチケット取れないし(取れるじゃん、とかいうのは言いっこなし。それは私達がノウハウを知っているからであって、普通に端から見たら「取れない」で終わりだ。探す、という努力を一見さんに求める風潮は私は嫌い)、という人もやはり何人か居るのだろうか。だとしたら今回の試みは大成功だと思う。とにかくできるだけ「芝居」の間口を広げていって頂きたいものです。