レプリークがムックになって帰ってきた

レプリークBis (Vol.1(2005.July)) (Hankyu mook)

レプリークBis (Vol.1(2005.July)) (Hankyu mook)

売り上げはあったのに広告収入が少ないとかで休刊していた演劇雑誌レプリークがムックになって帰ってきました。「リアルアクター・イレブン」と称して舞台人11人を特化して特集しています。11人のラインナップはこちら。

山口祐一郎  肩の力を抜いて後進を見守り、なお頂点で輝き続ける
井上芳雄  『ハムレット』を通過し、演じることの喜びも新たに
藤原竜也  居場所は舞台。だから試練に耐えて、さらなる高みへ
松雪泰子  2度目の挑戦は、いのうえ歌舞伎。気分は今、舞台色
岸谷五朗 芝居がなければ俺もない。妥協知らずの長距離ランナー
山本耕史  人気に拍車がかかる情熱の人のこれまで、そしてこれから
秋山菜津子  リアルな演劇の現場を生き抜いてきた女優が思うこと
小栗 旬  今の自分が試せることは、すべてやり尽くしてこそ舞台
ラーメンズ  コントの実験が、そのまま演劇にも大きな刺激となって
森山開次  ジャンルを自在に往来。今を生きるダンサーの素顔とは?
野村萬斎  アメリカ公演は大成功。伝芸の技法に磨きをかける日々

基本的にはインタビューで構成されていて各人9ページから10ページあります。なかなかに読みごたえがあって良かったです。以前からどうして演劇雑誌には突っ込んだインタビューを読ませる場所がないのだろうと思っていたのでこういう方向性は嬉しい。その中で印象に残ったのは山本耕史くんのインタビューのキャッチ。
「緻密に計算を重ね、奇跡を待つ。」
というのは、私が常々山本くんに抱いていたイメージそのままだったので、おお、やるなと(何様)。

個人的にはもうちょっと突っ込んだインタビューでも良かったんじゃないかなあとは思ってます。ただ、紙が良すぎる(笑)ので、これ以上ページ数を取ってしまうとそれこそ角で殴れば人をも倒す家庭画報ぐらいになりかねないので、これがギリのラインなのかなあ。

各人のインタビューの最後に、いままでの舞台を紹介してくれているのは凄くいいですね。新しいファンには新鮮だし、古いファンには懐かしいし。

もうひとつ、これも各人のインタビューの最後にある「10の質問」ですが、これはちょっとどうかなあ。10の質問自体は大賛成なんですが、質問の中身がなあ。こういうのは、質問はすべて同一にした方が断然面白さが出ると思うんだけど。たとえば、アクターズスタジオインタビューの最後の質問ような。

好きな言葉は?
嫌いな言葉は?
心奪われるのは?
げんなりするのは?
好きな音は?
嫌いな音は?
好きな悪態は?
俳優で無ければ何を?
やってみたくない職業は?
天国に行ったら神から聞きたい言葉は?

質問の中身が「無人島」とか「タイムマシン」とか、小林さんじゃないけど「もっと有益な話を」とツッこみたくなる(笑)

「再出発」とあるからこれからも続けて刊行されるんだろうと思います。何にせよ、メディアが増えるのはいいことだ!どんどんいい雑誌にしていって欲しいものです。