「第41回吉例顔見世」

  • 「お国と五平」

谷崎潤一郎の脚本だそうで。面白かったー!色んな意味で面白かった(笑)これの友之丞みたいな役をやりたいと思う(パンフの演出家のコメントによるとそんな感じがします)三津五郎さんって結構すごいかも。表面上はまったく美味しくはない役だけど、しかしあまり普通の歌舞伎の役では言わないセリフを言う、面白い役ではありますよね。
友之丞って一言で言えば「DQN」なんだけど、善人というものに寸鉄釘を刺してみせるところなんかはさすが谷崎、って感じか。
橋之助さんの五平がよかったなあ。この方はこういう役すごいはまりますよね!つーかね、あしにマメができた、ってお国の足袋を脱がせるところとか
なんだこのえろい場面は!!
っていいたくなるぐらいえろかったです・・・。いや、普通に足袋を脱がせて手当してるだけなんだけどね。でもそのさりげなさがエロいのよ!足袋ってあたりがザ・谷崎だ・・・さすがフェチ・・・(決めつけ)。
しかし、友之丞が「あの熊谷での宿での晩・・・」と言い出すあたり、もうちょっと「世にも奇妙な物語」テイストのホラーですらありました。「実は隣の部屋にいたのだ!」
ギャーーーーーー!!!!
みたいな。なんなら雷鳴らしましょうかみたいな。
扇雀さんも良かったのだけど、どうやらこのお国を福助さんもやったことがあるらしい。観たい、観たすぎる福助さんのお国。ファムファタールぶりを超発揮してそう。

  • 「連獅子」

あーやっぱり名古屋まで見に来てよかったなああ、と思った一幕。客席もこの演目の時が最も集中していたように感じた。つーか勘太郎くんが素晴らしくて・・・!素晴らしすぎて、私殆ど勘太郎くんを観ていたんじゃないでしょうか。自分内史上最も「カッコイイ」勘太郎くんだったかも・・・(今までどっちかっていうと「かわいい」って感じだったっすから)つーかお父様が出ているというのに勘太郎くんだけを観てしまうなんてどうしたことだい!という感じです。
前半も素晴らしかったのだが、毛振りが圧巻。勘太郎くんと勘三郎さんはほぼ完全に揃ってましたね。最後でちょっと勘太郎くんが走りすぎたかな?という感じだったけど。しかしなんか、もう必死でついていってるというよりはもっとだ!もっと!みたいな勢いが前面に出てきてる感じでした。ほんっとにきりっと格好良くてねえ・・・泣けてきたよ。素晴らしかったです!

  • 「河内山 天衣紛上野初花」

連獅子でテンションあがりすぎてちょっと気分がだれてしまったのですが、しかしこれも豪華な一幕でした。ここでも三津五郎さん、変わり者をやっている・・・(笑)河内山の仁左衛門さん、キリキリした江戸弁がすごい格好良かったので、道海の場面も「早く正体がばれないものかしら」と罰当たりなことを考えてしまったり。
最後の捨て台詞がよかったな〜〜〜。あと、山吹色のお茶を所望するところが面白かった。本当に言っていたかしらね、山吹色の菓子とか。時代劇の世界だなあ。