「時の男〜匂うがごとく今盛りなり」リリパット・アーミーⅡ

千秋楽にお邪魔してきました。
暗転してから芝居がはじまる前にスクリーンに次回の公演情報が出た。映画の予告編?(笑)

ちょうどクライマックスを迎えた大河ドラマ義経&頼朝あたりを題材に、「香り」を読む男と「運命」に従ったり逆らったり操ろうとした連中のお話。

「時の男」と名付けられた割にはその「時」っぷりがいまいち生かされていなかったような気がする。劇的な運命を創り上げようとして、劇中での事実が私達の知っている史実に近づいていくとこなんかはうまくできてるなと思ったのですが、茜子を経正のところへやるのが図らずも運命を動かしたように、もう一人の運命のコマ、義経にも「時の男」が関わってくれた方が良かったかなあと。最後の頼朝への仕掛けは「時」というほどでもないしね。

いいなあと思ったシーンはダントツで義章改め義経関連のシーン。茜子ちゃん歓迎ダンスや、兄弟の再会シーンのわざとらしさを逆手に取った作り方も好き。最後の茜子ちゃんに送るエール、よかったなあ。

時系列としては平家全盛のころから、頼朝が天下をとるまでやるので、どうしても入り組んでしまう背景説明を赤麿さんと青麿さんの二人に託していたのもなかなか良いアイデア。楽しかったし。ピクニックのシーン、面白かったなー!

粟根まことさんは京の陰陽師で、なかなかおいしい役所だったのではないかと。頭脳派の悪い人って役、一番の得意分野だと思うのだが、最近新感線ではあまり見ていなかったので*1超満足。いろいろ遊んではりましたね・・・(笑)及川さんと二人のシーンでお互いの友達の少なさ暴露しあったり*2、慰め合ったり、男はみんなクラリス好きだ!と吠えたり、楽しかったです。途中「ここでこの芝居の折り返し地点です」「休憩はありません」というところで、なんかいきなりピスタチオのパワーマイムのようなやり方で赤麿青麿を紹介したのがおもろかった。
とはいえそんな面白シーンもさることながら、死にっぷりがこれまた見事で見事で「うう〜んやっぱ一味違うぜ!」というぐらい圧倒的だった。最後の絶叫、よかったわああ。

リリパっていつもパンフが値段に見合ってない気がして買わないんだけど、今回は今まで拝見したことない方で、いいナーと思った役者さんが何人かいたので買ってみた。が、配役紹介がない・・・。チラシの中にも挟んでなかったっすよね?私だけ?初めて出会う俳優の顔と名前を一致させる、って次の舞台に足を運ぼうと思うこれ以上ない起爆剤になるので、是非ともペラ紙一枚でもいいから欲しいです・・・。というわけで自信がないのですけど、義章をやっていたのは森崎正弘さんという方でOK?そして伊勢平次は上田宏さん?どちらも素晴らしかったです。殺陣も皆お見事でした!

カーテンコールでパラパラを踊ってくれるんだけど、まったく無表情でパラパラを踊る粟根さんがかなりツボにはいってしまいました(笑)

*1:悪い人の部下(SHIROH)とか、二番手(吉原御免状)とか、あまり頭脳労働ではなかった

*2:携帯の登録アドレス20件