- シアタートップス L列15番
- 作・演出 田村孝裕
代表作を、満を持しての再演とのこと。自信がよく現れているというか、うまく出来上がっているなあという印象。父に捨てられ、母ひとりに育てられ成長した四姉妹の物語。
キャラクターの造形もいいし、4姉妹の回想と現実の時間軸が絶妙に交錯するのも、すごく効果的。家族の中に入ってくる「他人」、それぞれの夫だったり葬儀屋だったりが、パズルピースのように物語の中ではまっていくのも、とてもよくできてる。
実際のところ、よくできてるなあ〜という印象に左右されがちになってしまったところも多々あったのですが、しかし「よくできてすらいない」芝居の多さを思うとやっぱり再演に耐えうるだけの力量のある作品なんだなと思います。
個人的にそういう俯瞰の印象から抜けだせたのは、長女が夫の浮気相手に死んだ母の顔をみてくれというシーンと、最後客席にひとり背を向けて仏壇のパンフレットを見る三女のシーンでした。
三女のキャラはいわゆる「かわいげがない」キャラなんだけど、やはり彼女がこの舞台の芯でもあるから、客席にだけわかる彼女の「かわいげ」がもう少し多く手渡されてもよかったのかな〜と思いました。