「テイクフライト」

  • 東京シアターフォーラムホールC
  • 脚本 ジョン・ワイドマン 訳・演出・振付 宮本亜門

前知識なしに行ってきました。しかし、何度もタイトルを「TAKE OFF」と間違えそうになる罠(笑)

すごい、曲が・・・難しいですよね。素人ながらにそう思いました。天海さんも結構苦労していたような。シンプルな曲が少ないので、終わったあとも頭の中でリフレインしてしまうような曲があまりなかったなあと。

アメリアという人物が実際にどのようなひとだったのか、というのは勿論知る由も無いわけだけれども、残念ながらこのミュージカルで描かれたアメリア・イアハートという女性にはちょっと共感できる部分が薄かったなあと思う。彼女の夫のキャラを描きすぎているのが一因なんじゃないかなあ。

それと並行して描かれるリンドバーグの挑戦やライト兄弟の試行錯誤に較べると、どうしてもアメリアのそれはインパクトが薄いし、人物像を膨らませるために夫のキャラを書き込んでいるのかなとも思ったけど、まあこれは私が女だからかもしれないけど、どうしても「男目線のアメリア像」な気がしてしまって。彼女には彼女にしかできない「挑戦」があったんだと思うけど、それを描いて、そこに観客の気持ちを乗せる、ということに成功しているとは言い難いような気がします。

個人的にはそれよりも、リンドバーグが無謀な挑戦だと鼻で笑われながら単独飛行に挑戦するドラマの方に魅入られたし、それを演じた城田くんの熱演にも胸うたれるものがありました。

しかし、それとは別に「あー観てよかった」と思った最大の理由は成志&じゅんのライト兄弟コンビ。歌はね、まあ・・・置いておいて(置くな、でもじゅんさんすごいがんばってたよね!)常に三つ揃いの衣装ってのがまずドツボだし、白シャツに黒のベストで腕まくりされた日にゃーー!にゃーー!っていう。それで計算がどうしてもうまくいかなくて、成志さんがもどかしさに叫んでじたばたするあのシーン・・・ああすいません、もうこれで充分でございます、神様!的なちょっとネロな気持ちになってしまうほどにツボった。やべえ。ライト兄やべえ。弟の「お茶が冷めるよ」とかもちょーかわいかったです。2幕のふたりのかわいいデュエットも最高でした。眼福。