「幻探偵」オルガンヴィトー

  • 不思議地底窟 青の奇蹟
  • 作・演出 不二稿京

お誘いを頂きまして、なんとキャパ20!というまさに小劇場、いや劇場ではなくて普段はお店なんですけど(でもそのお店には行ったことがないのでこれがどうやったらお店になるのであろうか!とマジックを見る思いだった)、そこが劇場であればわれわれはそこへ行く、ではなくてわれわれのあるところがすなわち劇場だ!みたいな、いやとにかく面白い体験でした。

そう、観劇というよりもですね、ほんとに体験という感じでしたね。あの狭い空間の中に、あれだけの装置(最終盤には本物の「沼」が目の前に現れるというすごさ)を作りこんでしまう力技(と確かな技術)に感動すら覚えました。物語としては、ハムレット横溝正史、枠としては乱歩もという感じ。鬱々としたその世界と、役者さんの足よりも一段低いところから見上げているそのシュチュエーションがなんだか絶妙にマッチしていたと思います。

文字通りのアンダーグラウンド、アングラ芝居の濃厚さを堪能しましたです。ところで神沼清吾を演じた役者さんはなんという方だったのかしらん。なかなかに見目麗しい方でしたのよ、って我ながら結局どこに行っても男、男でお恥ずかしい限りですな!