どこにもいけない

演劇界 2008年 08月号 [雑誌]

演劇界 2008年 08月号 [雑誌]

発売中の「演劇界」8月号の中に、中村座ドイツ公演のレポートがあるんですけど、その中にドイツでの最後の幕切れを撮った写真がありまして、曰く「四方から壁が二人を取り囲み、立ち尽くす団七と徳兵衛」と書いてある。真っ暗な舞台で、背中合わせになって天を仰ぐ二人の図。

これ見たかったーーーーー!!!!

この写真を見たときほどドイツ公演に行かなかったことを後悔した時はないよ!これ見たかった、見たかったです。串田版「夏祭」のラストシーンというのは、あの扇町で公園を駆け抜けたときに始まった「どこにでもいける」感がこれまでずっと根底にあると思うんですけど、このドイツ版はそれのまったくの反転、「どこにでもいける」から「どこへもいけない」の転化なわけで、これは使用したコヤの構造からこういう展開にしたのだろうとは思うんですけど、だとしても夏祭マニアとしてはこれは、これは見ておきたかった・・・!(血涙)