本好きさんに50冊の質問・Q1〜Q5

  • Q01.小学校・中学校のころに読んだ、おもしろかった本を2冊教えてください。

とぶ船〈上〉 (岩波少年文庫)

とぶ船〈上〉 (岩波少年文庫)

大好きな本だし、多分今読んでも大好きだと思う。私がツボだ!と思うシュチュエーションってほぼこの本に集約されているのではないだろうか。偶然見つけた小さな店、だけど翌日出かけていっても同じ店は見つからないとか、世界史の「中」に入り込んでしまう感覚とか、そしてピーターがたったひとり船を返しに行くところとか。そのうち自分で買って手元に置いておきたい。
太陽の子 (角川文庫)

太陽の子 (角川文庫)

同じ作者の本は小学校の頃に読んでいたのですが、「兎の眼」もさりながらやはり「太陽の子」のインパクトは強い。神戸、ウチナー、三線、戦争。「てだのふあ おきなわ亭」のふうちゃんと一緒に見た風景はあまりにも鮮烈です。

  • Q02.10代のころに読んだ、おもしろかった本を2冊教えてください。

哀愁の町に霧が降るのだ〈上巻〉 (新潮文庫)

哀愁の町に霧が降るのだ〈上巻〉 (新潮文庫)

うちの家にあった「さらば国分寺書店のオババ」を筆頭に、その後もずっと読み続けることになった「本の雑誌」周辺の中でもやはりもっとも思い出深く、かつ何度読み返したかわからない、のがこの「哀愁の町に霧が降るのだ」。克美荘での彼らの日々は永遠に私のアコガレでありました。机代わりのトランク、十字に切ったおひつのごはん、鴨居のポケットにあるお金。男に生まれ変わったら克美荘に住みたかった。

春の夢 (文春文庫)

春の夢 (文春文庫)

大学時代の友人が熱心な宮本輝愛読者で、その影響もあって一時期集中的に読み倒していました。一番夢中になって読んだのは「流転の海」シリーズの方かもしれないんだけど、この「春の夢」はいまだに心に残る作品。

  • Q03.最近読んだ、おもしろかった本を2冊教えてください。

花森安治の仕事 (朝日文庫)

花森安治の仕事 (朝日文庫)

「暮らしの手帖」の名物編集長花森安治の仕事を追いかけたもの。面白かった。こんなことをいうのは年寄りの繰り言めいてはいるが、この中で語られている花森安治の「編集者魂」をもっと多くのひとに見習って欲しいと思う。雑誌というのはひとりの強烈な個性によって作り上げられた方が絶対に面白いということがよくわかります。

徒然草 (角川ソフィア文庫―ビギナーズ・クラシックス)

徒然草 (角川ソフィア文庫―ビギナーズ・クラシックス)

ひょんなきっかけで現代語訳の「徒然草」を読んだらこれが面白くて面白くてハマってしまった。人間ってのはかわんねーなー!ということをしみじみ考えさせられる。それは悪い意味ばかりじゃなくて、美しい、と感じる心は何百年経っても消えずに受け継がれていくのだ、ということでもあるのです。オススメ。

  • Q04.徹夜して読んだ、おもしろかった本を2冊教えてください。

砂の器 (カッパ・ノベルス 11-9)

砂の器 (カッパ・ノベルス 11-9)

実際には徹夜していないと思うのですが(基本的に読み切り人間のため、翌日に持ち越すことはほぼ無い)、しかし徹夜しかねない勢いで、食べることも眠ることも忘れる勢いでよんだ、その勢いの熱さは鮮明に覚えています。まさに巻を措く能わずのおもしろさ。社会派としての名前が先行している感はありますが、なによりも「推理小説」として面白い。それは声を大にして主張したいところ。

ケインとアベル (上) (新潮文庫)

ケインとアベル (上) (新潮文庫)

これも実際には徹夜していませんが、読んでる間中ひとっことも喋らなかったんじゃなかろうか(笑)こういう一族の大河ドラマ的な本を私はほとんど読まないんですけど、これは面白かったなあ・・・同じ作者の本はなんだかんだとほぼ制覇していますが、やっぱり原点はこれ。もしくは「百万ドルを取り返せ!」ですね。痛快さならこちらのほうに軍配。

  • Q05.何度も読み返した本を2冊教えてください。

大きな森の小さな家 ―インガルス一家の物語〈1〉 (福音館文庫 物語)

大きな森の小さな家 ―インガルス一家の物語〈1〉 (福音館文庫 物語)

「大きな森の小さな家シリーズ」。このあとに続く大草原、プラムクリーク、シルバーレイク、農場の少年。子供の頃、いやんなるほど読み返しました。いまだにマフに憧れるのはこの本の影響だしとうもろこしパンって聞くとよだれが出る。シリーズの中では大草原を一番読んだかな。大草原の、というとテレビシリーズを思い浮かべる人も多そうだけどあまりにも本の刷り込みが強烈すぎましたです、私の場合は。

小説 中華そば「江ぐち」 (新潮OH!文庫)

小説 中華そば「江ぐち」 (新潮OH!文庫)

これは大人になってから何度も読んだ本ですね。いっときずっと鞄のなかに入れっぱなしにして、いつでも読めるようにしていた。どんなことでも、おもしろがりようによってはすごくおもしろい、ってことを教えてくれる。久住さんのその対象への距離の取り方に猛烈に共感していましたし、いまでもしています。この文庫版の「あとがき」は何回も読み過ぎておそらく暗唱できる、今でも。