エッケ・ホモ

この人を見よ。

演劇ぶっく 2010年 06月号 [雑誌]

演劇ぶっく 2010年 06月号 [雑誌]

表紙の人ではなくて、いや表紙の人ももちろん見てほしいんですが、私のtwitterのTLでも話題になってたんですけど、今月号の演ぶ、巻頭の対談も含め読み応えありまくりなんですが、中でも清水宏さん、しみひろさまのロングインタビューが最高です。あれ正直分量足りない。倍あってもいい。思いもかけず早稲田劇研のころの話がたくさんあったり、この間のじてキンの舞台について「こないだやったね、と簡単にいえるようなものではない」という話があったり。坂口さんの「結婚式の余興見てピンときた」ってだけで一切のリサーチなしってのも笑いましたが、でもそれは清水さんの性格を読んであえて、って気もしないでもない(笑)

でもその「海へ」の舞台のこと、裕美さんや赤堀さんが「この役は清水だろう」と思ったっていうのはよくわかる。

私が始めてしみひろ様を「役者」として意識したのは実はこれ、もう5年以上前のことだし書いてしまってもいいだろうと思うので書きますが、大川興業の「SHOW THE BLACK」の時です。感想で書いた「佐藤」の役をやっていたのが清水さんでした。

もちろん真っ暗闇のなかで行われるわけですから、私は一切清水さんのお姿を見てはいない、ただ声を聞いて存在を感じただけです。でも圧倒的でした。それまでひたすらに「鼻持ちならないやつ」だった佐藤が、自分の身に起こったことを語りはじめたとき、私は真っ暗闇のなかで茫然と涙を流したことをよく覚えています。

それでね、劇団員はともかく、名前も公表せず、誰がどの役者かも明かさず、観客でさえもその役者を見ることができない、そんな状況に置かれる舞台を引き受けた清水宏というひとはこれは相当にかっこいいな、と思ったものです。

インタビューの中で「昔は観たことないことをやる、今は観たことがある、というのが評価になってるんだね」という話にはすごく頷くところも。

また何年かに一度演ぶに呼んでください、是非(笑)