「お気に召すまま」子供のためのシェイクスピアカンパニー

有名な戯曲だしすっかり見た気になっていた、ら、見たことなかった(笑)そうかこういう話だったか。
見て思ったのは、前半部分と後半部分の落差。前半の方が圧倒的に面白い。いかにも「底意地悪い」と思われる役がふたりもいるというのも新鮮だし、親族から疎まれた者同士が偶然から強烈に惹かれあう、というのもドラマチック。
が、しかし最後の畳みかけがもう、ジャンプの風呂敷畳みでももうちょっとなんとかするべ、と思うほどに雑な気がしてしまったなああ。羊飼いのほうはいいとして、シーリアとオーランドーの兄のエピは要るの?とか、そしてシーリアの父の改心、唐突じゃね?とか、あの、男装の麗人ロザリンドに上手いことみんな気づかない、っていうのはシェイクスピアのお約束なのでそこは措くとしても、ロザリンドがギャニミードとしてオーランドーと「恋愛ゲーム」を楽しむさまはオールメールで演じられることを想定してのお楽しみですよね、とか、とか。
このカンパニーならではの趣向は相変わらず随所に効いていて楽しかったです。遠州森の石松で爆笑してしまった、思わず。レスリング大会が相撲大会とか。小ネタだけではなくて、「ゲーム」を終わりにするときの、恋とは、という台詞を語っていくシーンはよかったな。このカンパニーはシェイクスピアならではの独白をすごくうまく活かすなあといつも思います。
来年は「冬物語」が登場の予定だとか。おお、これも初見になりますね。楽しみ!