「夏祭浪花鑑」平成中村座

2002年の扇町公園から8年の歳月を経てふたたび!大阪で、しかも野外で(ここ重要)、あの芝居が帰ってきました!!!私はもう心は「夏祭浪花鑑追っかけ」ですのでがっつり初日の舞台を拝見してきたでござる!

ラストシーン以外は特にバレというものもないとは思いますが(ラストシーンのことはさすがに初日開けたばっかりですし、詳細に書くのは控えます)、なんにも知らない状態で見たい!という方は回避が吉かも。

この座組でこの演目を見るのはコクーン→松本で公演した2年前以来ということになると思いますが、多分その時にも最初の感想で書いたんですけど、早いんですね、芝居のテンポが。NYバージョンあたりまではもっとたっぷりな感じがあったんですが、台詞の呼吸や間がいちいち早い。でもって、これは初日ということもあるのかもしれませんが、まあ昨日の夏祭は落ち着きがなかった(笑)ちょっと、みんな、浮き足立ちすぎだ!(笑)なんならNYの初日より落ち着きがなかったような気さえしましたよ。何をあんなに巻いていたのか…琴浦を新悟くんが初役でやってたんですけど、すごく緊張しているように見えました。なんか、右手が小刻みに震えてるような感じすらしたし。あと団七内から最後の場面に移る時の転換(花道で三婦たちが芝居をしている)のときにガッターーーン!!!とものすごく大きな音が幕内から響いて何事!って感じだったし、いやなんかもう、いろいろと最後まで気をもみました、って私がもんでどうするって話なんですけど。

今回お辰の役は前半を勘太郎くん、後半を七之助くんがやるので、じゃあ両方一回ずつ見とかなきゃなと思ったわけなんですが…いやあもう。勘太郎くんのお辰が見事にもっていってくれました。正直この回だけなら勘太郎くんに全部!とはらたいらさん並の信頼を寄せてもいい感じです。いや素晴らしかったよ。素晴らしかった。初役で見たときからたった2年でこうまで変わるか!っていうね。浮き足立った感じの客席をねじ伏せるような、芯のある芝居でした。ほんっともう、見ながら心の中でなんでこの人こんなかっこいいんだ、なんでこんなかっこいいんだ、もう世界中が勘太郎くんにひれ伏すべきだ、いやむしろ私がひれ伏したい、ひれ伏すどころかお腹を出して全面降伏のポーズをしたい、そんでもって勘太郎くんによーしよしよしとムツゴロウさんのようになだめられたい、ハッいつの間にか私の脳内妄想が放送されてました大変失礼いたしました

やっぱり八月の四谷怪談で自信をつけたっていうのもあるのかなあ。あの、勢いのある役者にだけ見ることが出来る、顔からバーーッと光があふれるような瞬間がありましたね、この日の勘太郎くんには。もうこれだけで「来て良かった!」と思いましたもの。

勘三郎さん、ちょっとお疲れかな?と思うところもありましたが、泥場でのこらえ方はさすが。七之助くんは磯之丞初役なんだよね?たしかにずっと琴浦だったので、なんか見てる私も戸惑った(笑)基本的に皆さん、役が手の内に入った方ばかりなので、もちろん標準よりは圧倒的に面白いんだけど、あと何日かすればまた歯車もきっちり合ってくるのかなーというところ。

さて、毎回のお楽しみになっている夏祭のラストシーンですが、その詳細は見てのお楽しみとして、初日は飛び交う歓声と、あっという間のスタンディングオベーションに包まれたことだけはお伝えしておきます!