鋼鉄番長、福岡大千秋楽!

なんだかいろいろあった、あったが、それはそれとして、いよいよ新感線30周年興行豊年満作チャンピオン祭り「鋼鉄番長」の大千秋楽!しかも場所は福岡!そして嘉穂劇場!いまやもう、その辺の遠征じゃまったく「遠征テンション」のあがらない日常遠征茶飯事なわたくしが久々にテンションマックスにあげた遠征でございました。

福岡在住のお友達をお誘いしていたので、楽しんでもらえるといいな!と思いつつも、思わず開演前に「ほんとにくだらないから!」「ほんとにあとに残らないから!」などと必死に予防線をはるわたくし。なんだろう、これも新感線愛?(違)

行きはJRでトコトコと行ったのですが、おそらく同じ電に遠征組と思われる方がたくさん!そして皆駅前のタクシー乗り場で告げる場所は同じなのであった(笑)でもタクシーの運転手さんも仰ってたけど、場所さえわかってれば歩いてもちゃっちゃと行けそうな雰囲気だったかなと思います。でも飯塚のバスセンターのほうが近いですけどね。

外見は(修復したということもあって)わりと周囲に馴染んでるんですけど、一歩中に入るとこれがもう雰囲気満点!赤い絨毯!枡席!両花道!!!思った以上にステキなコヤでした。照明や音響の卓もいい具合に収まってました。鋼鉄番長ブログに粟根さんがいろいろ写真あげてくださってるのでそちらをぜひ(他力本願)。あと、私今回のお席が1階のかなり後方で、桟敷だしなあ、これはほとんど見えないかもしれないなーとか心配していたのす。でも1階桟敷は緩やかに前下がりになっているので、後方でもかなり見やすかったの!それになんと言ってもコヤのサイズ自体が小さいから舞台がすごく近く感じる。これは嬉しい驚きでした。枡席は4人で座るんだけど、わりとスペースもあって前後の人を気にしなくても大丈夫な感じ。

さて、本編の方ですが、ネタものの宿命というか後半になればなるほどネタがいい感じに煮詰まってぎゅっと凝縮した舞台になるっていう、まさにその見本のような舞台でした。もう、ここまでくると厳選されたネタしか残ってない(笑)楽日ならではで、河野さんと右近さんが笑いオチたりする場面もありましたが(もちろん犯人は古田)、それもまた楽しという感じ。ローカルネタも随所に仕込んでいてよくウケてました。ああしてみると遠征組の割合はそうでもなかったのかなー?と思ったり。

両花道があるってことで、もういのうえさんが使わないわけない、と思っていましたが案の定花道芝居やりまくりでしたです。いや多分ほんとはもっと使いたかったんじゃないだろうかと推察。そもそもいのうえさんの演出って花道のある小屋が合うんですよね。BSでやっていた新感線特集でも「演者の都合による暗転がきらい、暗転には意味がなきゃいけない」(名言!そう!そのとおりだ!と打ちすぎて痛い、膝が)と仰ってましたけど、花道があればスクリーン下ろしてその前で芝居する、みたいなことをやらなくていいんだもんね。そうそう、嘉穂劇場はバトンの数がもしかしたら足りないのか、スクリーンは上下じゃなくて左右に開くカーテン式になってました。

初見のときと変わらず聖子さんの権田原ユカはあまりにもすばらしく、もう次にくる台詞を知っているのにまたもや呼吸困難になるかと思うほどに笑いました。そうだ、村木さんと相撲をとるところで、執拗にスカートの裾をたくしあげる攻撃に出てらっしゃったんですが、古田さんが「本気でいけ、本気で」とか声をかけてたり(笑)田辺さんも相当お笑い方面に掘り下げてたな〜。戦場カメラマンの物真似のあとの爽やかな「…似てないね!」には爆笑しました。それにしてもブルージーンズ・ぶるーすの「海辺でバイク飛ばしてバアさんを轢いた(交通事故!)」ってヒドイ歌詞だなおい(笑)三宅さんももうね、ほんとに盤石!という感じで、個人的にこれが二度目ということもあるけどもう完全に兜鋼鉄だったなあ。ラストシーンちょっと涙が出そうになったよ、私が(笑)

どうでもいいことなんですけど、今回のネタの中でいちいち思い出すたびにツボにはまっているのが「尻穴の毛が立った」です(笑)2回目のエマさんの「デジャヴ…?」も込みで好きすぎる。どうしようリアルで言い間違えたら(笑)

でもって、まあもうこんなことほとほと言い飽きてる、って感じもするんですけど、やっぱり古田新太はすごい。ほんとうにこの人に任せておけば間違いない、絶対に面白くしてくれるという安心感ハンパない。ダンスも殺陣もキレッキレにキレてて、いやもう久しぶりにかつて「すれ違っただけで妊娠する」とまで言わしめた古田の舞台オーラを浴びまくった感じでした。登場シーンからして拍手喝采、天牙御免だ!のあとのスムースクリミナルの格好良さ、ネーミングの元ネタの「らしさ」も含めて最高。そうだ、ヘリに乗り込むまえの捨て台詞、「おまえらはこの筑豊界隈で泥臭いネタやってろ!」つってました。うははは。

カーテンコール、坂井さんはもう走り込んでくるときから大泣きに泣いてらっしゃって、それを見てるともらい泣きしそうになっちまいました。何度目かのカテコのあと、古田さんが拍手を制して大千秋楽のご挨拶。「約2名の舞台役者に向いてない人たちのおかげでたいへんなことになりましたが(笑)」「このピンチを救ってくれた三宅くんにもう一度大きな拍手を!」三宅さん、聖子さんからタスキみたいなものかけてもらってました。文字までよく見えなかったんだけどなんて書いてあったのかなあ。二人からメッセージがあります、ということで後ろのスクリーンに映し出されるじゅんさんの顔。でも静止画。写真が変わる。また静止画。えっとすいませんこれなんてスライドショーですか(笑)主に変顔のじゅんさんスライドショー、最後に「お疲れさまでした!」の文字。方や池田成志先輩、ビデオレターだったんですけどなんか無駄に南国風に上半身裸でコタツ(だったかな)に入ってました。皆さんお元気ですか。ぼくはいま、南国ハワイにいます(なんでそんな誰にでもわかるウソをw)手術も無事終わり、足の装具も取れ、ちゃんと二本の足で歩いてます。装具はワインスタンドとして使わせてもらってます☆(本当に装具に酒が突っ込んである)これからも劇団新感線、そして真心一座をどうぞよろしく!」って最後身も心もの宣伝かーい!いや成志さんらしくていいですけど。メッセージが終わったあとの古田さんのひとこと「もうこの二人と二度と会う機会がないことを願いますね」うひゃひゃひゃ

煎餅撒きではアバターじゃない、ジャイアント吉田さんからいただきました。近くで見てもマジでアバターっぷりすごかったっす。おせんべもいっぱい飛んできて、みんな周囲のひとたちに声掛けしたりしつつ、銀テープも景気よく2回飛んでました。やーいい光景だったなー。

最後に古田から、劇団新感線、これから40周年50周年と、どんどん衰えていくと思いますが、どうかよろしくおつきあいください、との言葉。左右に皆がハケていって、最後に下手の袖の前で三宅さんが立ち止まってひとり、深々と頭を下げたときに巻き起こった大きな拍手、間違いなくこの日一番の拍手だったとおもう。

ほんとうにいろいろあって、30周年、最後のネタものかも、それをいのうえさんの故郷で、嘉穂劇場で、ってそんなの行くしかないじゃんよ、そう思って日程が発表になったときから遠征を決めていましたけど、でもあれだな、古田さんのパンフの言葉じゃないけど、そんな何もかものお膳立てが揃った「アガリ」になっちゃわなかったことには意味がきっとあるんだろうなと思います。だからあれだ、きっとまた次があるんだよなって思うし、それを楽しみにしていたいなあというだけです、今は。嘉穂劇場ほんとにいいコヤだったので、またぜひ使ってみてほしいよー!がんばって行くよ!ほんとにすべてのスタッフキャストの皆様お疲れさまでした、じゅんさんと成志さんも、そしてもちろん救世主三宅さんも!楽しかったです、ありがとーーー!