- 青山円形劇場 Cブロック43番
- オリジナル脚本 和田夏十 上演台本・演出 ケラリーノ・サンドロヴィッチ
パンフレットでケラさんも話されてますが、ケラさんがツイッターで「ナイロンで『黒い十人の女』やったらどうかな?」ってツイートをされていたのをまさにリアルタイムで目撃していて、それイイ!それイイ!と反応したひとりだったので、その時は「そうはいっても権利関係難しいだろうなー」という感じだったのに、アレヨアレヨと話が決まっていくのもすごかった。
ケラさんは上演台本を作るにあたって「10人の女」の書き込みをふやしているとのこと。確かに誰も彼もが個性的なキャラクターに仕上がっており、それをスタイリッシュにみせるケラさんの手腕もさすがだなあという感じでした。ほんっとにケラさんの女芝居ははずれがないよね。
同じ原作ありの作品、という意味では、同じ青山円形でやった「犬は鎖につなぐべからず」が思い出されますが、こちらはもともと一本の映画ということもあって、ナイロンバージョンとして立ち上げるのに腐心されているなあという感じはしました。
しかし、それを補ってあまりあるナイロン女優陣の見事さたるや。特に今回は峯村リエさん演じる本妻と、松永玲子さん演じる愛人にトドメをさします。まったくすごい。若いタレントに啖呵をきる松永さん、しびれた、つーか、惚れた!そして後半一気にかっさらうリエさんの凄まじさですよ。このふたりの丁々発止見るだけでも価値がある!
でもって、その女性達の真ん中に立つ風松吉を演じたみのすけさん。この役を誰がどこから見ても男前、みたいなひとにやらせるのではなく、みのすけさんに演じさせるところ、そして、ほんとうに「これはこの人モテるわ…」という説得力のあるキャラに立ち上げてくる演出家と役者の見事さよ!
特に「なんでボクになんか興味を持つの、つまらない男なんだよボクは」っていうところ、思わずくらっときましたもんね私…とくにみのすけさん声がいいからさああ!
小野寺さんの振付や、ナイロンならではの映像使いの見事さもふんだんに楽しめる作品でした。映画見てみたくなったなー、ケラさんによれば最後をけっこう変えているそうなので、ラストの展開が気になります!