「PLAY PARK 2012〜日本短編舞台フェス〜」

  • CBGK D列17番

何の気なしにスケジュール見ていたらちょうど私が見れる29日の日曜マチネにMONOと暁がラインナップされていたので両方見られるならお得かなと急遽チケット買いました。日曜のマチネはだいぶチケットあったみたいですねえ(ソワレは売り切れていたような)。

  • 親族代表

嶋村さんの一人芝居。メタ構造というか、嶋村さんがシブゲキの支配人のテイで挨拶するところから始まり、ふたたび挨拶するところで終わる。小劇場愛のいきすぎた支配人がファッションセンター「しまむら」の支配人になって…というのが最初の設定ですが最終的になんでもありに(ご本人曰く「雑な展開!」に)なっていました。小劇場、という共通項があるからこそ笑えるネタのクリーンヒット度合いがすごく、中でも「本多劇場の雲みたいなやつ」はしばらくひきずっちゃいましたよ!

久しぶりに拝見したんですが、いやー参った!やっぱり伊達じゃないというか破天荒というか、パワーありき!みたいな押し芸の数々に完全にしてやられました。すごい。小林健一さんと政岡泰志さんは出てきた時から観客が引こうがどうしようががっつりつかんで離さない!いやがられても離さない!という引力があったよ…。飲み会のお酢→タバスコ→お酢のくだりもノリツッコミのキレがハンパなかったなー。辻修さん演じる「田舎から出てきたダメ青年」が演劇の罠(笑)にひっかかるという展開もふくめて面白かったです。そして最後には「禁じ手」の客いじりを全開でやる小林さん、「コンドルズファンを、あぶり出すね?」の一言は間違いなく今日イチの瞬間風速を叩きだしてました。脱帽!

基本的にパントマイムなんですが、昔の師匠の話をしてくれた漫談もすんげー面白かったです。15分のコントを30分やってくれ!と言われましたどうしましょう、って相談したら「同じ台詞2回言え」ってアドバイスされた(そしてその通りにやった)話とか。しかし、圧巻だったのは7分30秒でみせる「ベルサイユのばら」で、7分半なんだけど一応ちゃんとベルばらだし、しかもアンドレ笠智衆、オスカルを美輪明宏がやるっていうね…!「アンドレ!お前なにかにとりつかれてるんじゃないのか!」って連呼するオスカルどうなんだ(笑)しかしそれ以上の殺傷能力だったのがアンドレ笠智衆で、アンドレが死ぬシーンをマンガのネームそのままでやるという!「ブロンドの髪ひるがえし ひるがえし」…って笠智衆で言うなーーーーっ!!!ひどい!もう!爆笑!

  • MONO

奥村さんのモノローグから始まり、そのあといきなりレザボアドッグスさながらの(というか設定としてはそのままの)黒スーツ、強盗団な4人がパイプ椅子に座って「裏切り者は誰か?」という話し合いをするという枠組みなのですが、そこに「慣用句を覚えられない男」というスパイスを絶妙にふりかけてくるところがうまい。20分の枠組みで、最初のモノローグで出た男がきれいにオチになり、全員にちゃんと見せ場があるというお手本のようなショートショート。さすがです。書ける人間というのはこういうものかと思う。MONOの舞台ではそれほどスタイリッシュな格好をなさらないみなさんがスーツでビシッと決めてらしたのも目の保養でした。特に水沼さんは背も高いしかっこいかったなー!

コンドルズの「踊れる面々」であるところの藤田さん、鎌倉さん、石淵さん、平原さんの4人で組んだ別動集団。本家と同じくダンス→グダグダの間を行ったり来たりするのですが、グダグダはほんとうにグダグダであるというところと、それでも音楽一発かかって踊り出すとめちゃくちゃかっこいい!!!ってなるところは本家そのまま、というかダンスとグダグダの落差は暁のほうがすごいかもですね。しかし、平原さんのこの「猛烈に踊れるっぷり」というのはすごい。この間本公演で見たときも思いましたが間近で見て改めて。コンドルズでは学ランとシャツですけど、暁はみなさん黒スーツだったのでまたもや目の保養というね!藤田さんの金髪に黒スーツとかかっこよくないわけがあるだろうか!いやない!


シブゲキ、映画館だったときに1度きたことがありますが、劇場としては今回初めて。座席の前後がかなり狭いよなあ、と映画館だったときには思わなかったことを思ったり。というか、椅子はふかふかなんですけど、映画と芝居って客の姿勢と目線が結構違うと思うんですよねえ。あの椅子で長丁場はつらい、かもしれない。しかし今後もキューブ渾身のラインナップが続くので、今後の健闘に期待したい!です!