渋谷亀博、行ってきました!

ヒカリエがオープンして間もないということでどんだけ混むんやろうただでさえ人が多い渋谷で…!と戦々恐々とするあまり気合いを入れすぎて1番乗りになってしまいましたとさ…もしこれから行かれる方いらっしゃったら宮益坂のほうの入り口から入ってエレベーターで一気にあがると混雑しなくていいのではないですかと思いました。そして入り口真っ正面には佐々木蔵之介さんからのお花が!きゃー!特等席!

亀治郎さんの小学校〜高校、大学時代のノートや落書き、卒論なんかも展示してあって、そのノートの几帳面さ、文字のきれいさ、そしてそれらがすべて「きちんと保管されている」ことに真の「ええしのぼん」ぶりを見たような気がいたしましたね…!しかもあれだよ、絵もうまいんだよ。なんなの、なんでもできるじゃないの亀ちゃん!キー!

つーかあの美術品と工芸品はなんぞあれ…どこの美術館かと思いました(真顔)。

小さい頃に「黒塚」の風景を描いたやつもあって、ご自身でも「特別」と仰っていたりしてあーー七月の襲名興行で黒塚かかるんだよなー、見たいなーと思ってしまいましたよ…取れるんですかねチケットとか…(弱気)

展示の中に、亀治郎さんの楽屋を再現したものがあって、実際に使用されていた鏡前とかが使われているんですが、この間の四月興行で「亀治郎」として最後の舞台を終えたその千秋楽、幕内でサプライズがあって、なんと亀ちゃんへのお別れメッセージをみんなが寄せ書きするっていう(笑)「今はなき」ってテイで書いているのでこれがみんな面白いんですよ!染五郎さんなんか「変わった人だったけど 好きだったよ」って書いてるかと思えばその下に「スタジオパークではしゃぐ君を見て心配になったよ」とか書いてるし。くっそーどうせあたしゃ染亀のコンビだいすきだよ!

連続静止画の舞台写真のおもしろさもさることながら、やっぱり一番テンションがあがるのは四の切の舞台!そこに直接あがれる!これはうれしいです。あの早替わりの舞台裏はこうなっているのか〜〜と皆さん興味津々でしたし、実際に舞台と同じポーズで写真を撮られる方もちらほら。欄間抜けの装置を上から見ることもできますよ〜〜〜。

ドキュメンタリーフィルムがたっぷり45分あって、わりと立派なホールみたいなところで(でっかいガマが迎えてくれます)見るんですが、これも見応えありました。亀治郎の会で「四の切」をやったときの稽古風景、舞台裏に密着。共演者のインタビューもまじえつつ、でこれ毎日上演時間決まっているので事前にチェックしていかれるとよいかも。

しかし、こういう舞台裏を見るといつも思うけど、舞台の上で役を演じる、ということと同時にどこかその自分を俯瞰で見ている視線というのは絶対に必要なんだなあと。逆に言うとそういうことができるのが「いい役者」なんでしょうね。段取りをきちんと踏んでいく、という作業と、役を生きるという作業の両立。

というかほんと、歌舞伎役者ってタフですよね…!歌舞伎に限らず、舞台をつとめるというのはタフでなければできないとおもうけれども、しかし彼らはこれを昼夜通じて1月やり通す、それがずっと続くのだものなあ!

この四の切で義経をやったのは染五郎さんだったんですけど、亀ちゃんから「出て欲しい」というオファーがあって快諾したそうで、最後、宙乗りで去っていく源九郎狐を、亀ちゃんを見送っているときの心情を語った言葉がとてもよかったです。

最後はね、とうとうあがっていったな、って、彼自身の心情はもちろんわかりませんけど、ああ、とうとう飛んでいくんだなって、それをこうして舞台の上から見送ることができたっていうのは、とても嬉しかったですね。