黒か、白か

テレビの話をふたつ。
まずは「清盛」!!第23回「叔父を斬る」、リアルタイムで見られなくて、自宅に帰ってきたのはほぼ日をまたごうかという時間でしたがとるものもとりあえず見ました、見ましたよ。
もうね、序盤から真綿で首を絞められるような、ああもういっそのこと思い切ってスパッとやってくれ!と叫びたくなる、もっと薪を!とはこのことかというね。

為義も忠正も序盤からべつにいいひとだったわけではなくて、むしろ情けなかったりやなやつだったりしていたのに、ここにきて、ここにきて、ここまで儂を泣かさんでもええじゃろーー!というような芝居が炸裂しておりましたよ…!

冒頭の信西と清盛の対話から、源氏と平家を対比しつつ平行してて描いていて、いやもうこんなところでカミングアウトするなという感じですケド私、玉木さんすてきだけど個人的にツボじゃないなーとか思っていた!でも!信西に父を斬れといわれたときの顔とかもう!もう!ぎゃーちょっと私の義朝たんになんてことをーー!と誰に向けてるのかわからない憤怒で立ち上がりました(すぐ座りました)。私ってつくづくへなちょこが好きなのね…義朝たん、由良たんにやつあたりしたりして、ああでも気持ちわかる!とか、そのあとの小日向パパとの対話ね…今から自分を斬ろうとしている息子に「孝行な倅じゃ」ってね…!

白装束の忠正と黒の清盛、黒の為義と白の義朝、斬る者はそれぞれが斬られるものから最期の言葉をもらう。そして忠正はもっとも清盛が言われたくない言葉をぶつけるのだ。父の懇願を義朝は叶えることが出来ず、父への思い故に清盛は剣をふるう。

それにしても涙が印象的な回だった。頼盛が叔父を見送ったあとにほろりとこぼす涙、信西が西日に向かって一筋こぼす涙、後白河の御前で、かつては若さ故の血気から決して言うことのできなかった言葉を、地に平伏しながら口にする清盛の、目に浮かんだままの涙。

あまりの緊迫感とテンションで、個人的にこういった心のHP削られるような展開がむしろ好物であるにも関わらず見終わったあとどっと疲れてしまいしばし茫然…来週の予告に「ああ、次はなんだか心穏やかに見られそう…」とか思うって何事なのか。はー、日曜8時が待ち遠しいでござる!