悲しいお知らせ

■青山劇場・青山円形劇場が閉館
厚生労働省は「こどもの城」の閉館を決定。伴って青山劇場・青山円形劇場が2015年3月をもって閉館することも決まりました。
「こどもの城」は、1985年に11月に開館した国立の児童厚生施設(東京都渋谷区神宮前5-53-1)。キャパ1,200席の青山劇場は「こどもの城」1階、376席の青山円形劇場は同3階に位置する劇場で、特に青山円形劇場は日本初のオープン・ステージの劇場として人気を集めていました。
厚生労働省は、開館した1985年当時と比べ、各自治体でも子育ての支援拠点の整備が進んだことに加え、開館から27年が経過し、建物の老朽化が進み、現在の機能を維持・継続することは困難との理由から、2014年度末を目途に「こどもの城」の閉館を決定。伴って、青山劇場・青山円形劇場の閉館も決まりました。

「こどもの城」閉館、という一報が朝イチのTLを駆け巡って、こどもの城が閉館し跡地等の再利用は未定、との書きぶりからして劇場の存続そのものの危機というのはわかっていたんですけど、やはり両劇場とも閉館が決定した、という…

いやーちょっとショックです。トップスやアプルやルテ銀の閉館ももちろんショックでしたが、円形劇場の閉館はなんというか、違う種類の衝撃がある。青山劇場のほうは、他の劇場でも代替できないことはないと思いますが、円形劇場が失われるということはそこでやるために描かれてきた(描かれてくる)芝居が永遠に喪われてしまうということと直接繋がっているような気がしてしまう。

円形といえば、で遊機械の芝居やアラカルトを思い出すひと、ケラさんの芝居を思い出すひと、その他観客の数だけ思い入れがあると思いますが、私にとっては円形といえば何よりもまず「スズカツさんの芝居が観られる場所」でありました。

ご自身も今朝のツイートで「もう二十年以上、オリジナルを書いた場合、まず青山円形劇場でやることにしていた」と書いていらっしゃったけど、あの劇場の雰囲気と、スズカツさん独特のスタイリッシュさ、どこか冷えたような質感までも感じさせる舞台はあまりにも密接に絡みすぎていて、じゃあこれからどこでLYNXやCLOUDをを見ることができるのか、もっといえば「次のオガワ」を見ることはできるのかって、どうしても考えてしまう。

そもそもが国立の児童厚生施設のなかの劇場で、それを管轄する財団法人児童育成協会の今後も不明、今回の決定は厚労省の判断、となるとこれがそうそう覆ることではないということは誰の目にも明らかなわけで、ああ、ああ、あきらめるしかないのか。

完全円形だからこその舞台と客席の密接な関係、完全円形だからこその「見えない」景色、その見えない景色を想像する力、あの天井、あの明かり、そういうものと、あとすこしでお別れしなきゃいけないのか。

こんなとき、観客は無力か?そうかもしれない。でもその無力さを噛みしめるためだけにでも、閉館までの間にできるだけあの劇場に通うことにしたいと思う。