今週の清盛

第44回「そこからの眺め」または「世にも奇妙な平家物語」。
または、
さらば重盛。

(´;ω;`)ウッ…(またこのパターン!)

いや、もう何週か前から予感はしていたのよ。ぜったい、あの第9回の、ごっしー(当時雅仁)初登場の、「ふたりのはみだし者」の回の双六が出てくるんだろうって。あのとき二人で盤を挟んで、ごっしーは「儂が勝ったら重盛(当時清太)をもらう」と言ったのよ。そしてあの時、きよたんは賽を振ることができなかったのよ。昔きよたんが詠んで悪左府頼長にけちょんけちょんに言われた歌まで引っ張り出して、その賽を振ることができなかったきよたんを知っているごっしーは、だから「あいつをつつくには子をつつくに限る」と言ったのよ。

思えば清盛と後白河の長い長い双六遊びの真ん中に、重盛は最初から立っていたんだよなあ。

自分の病床を見舞ってくれた恩義ある主人に後のことを託す重盛と後白河のあの温度差。安心させておいてどん底に突き落とすようなものの言いよう。賽を振ることすらままならない重盛を、扇をゆっくりと仰ぎながら眺める後白河のあの目(この扇で重盛の顔を隠すショット素晴らしすぎて震えたね俺は)。

でもさー、と告白するとこの回の感想を書こうとしてすでに4回ぐらい繰り返し見ちゃってる(ハイ病気ー)私であるわけだけれども、でも重盛、おとうさんきてくれたよ、と見るたびに思ってしまうのだった。あのシーンの清盛はおとうさんだったなあ。40年前と同じように、我が子を守ったおとうさんだったよ。そして一人で生き、一人で死んでいくのはごっしー、きみのほうなんじゃないのか、と。

ともあれ、窪田正孝くん、ほんとうにお疲れさまでした。最初に重盛役と聞いた時には(何度も言うように私の中で重盛と言えば勝村さん)線が細いコだな〜という印象だったけれど、今や窪田くん以外にこの役は考えられないとすら思います。偉大な、そして巨大な父の影に苦しむ重盛たんに毎回きゅんきゅんさせて頂きました(ひどい)。松山ケンイチくんと4つしか歳が違わないのに、ほんともう親子にしか見えなかったもんな〜。だからこそ、あの父に対する全身全霊の諌言には震えたし、このドラマ屈指の名シーンになったと思います。さよならすーるのはつらいけどーじーかんだよーしーかたないー。ほんとにお疲れ、ありがとう!

そして盛子の所領のみならず重盛の所領までも召し上げとなった清盛はリミッターが外れ(重盛もある意味リミッターだったわけでね)とうとう院政停止に至らしめるわけですが、しかしもうここからの演出がなんだかどうにもすごすぎた。つーかそもそもオープニングのクレジットが乙前じゃなくて祇園女御になってたのからしてこういう予感はしてた。えっ…だってふたり同一人物…じゃ、なかったの?祇園女御が見放すとトップから転げ落ちるとかそういう…コロボックル的なアレ?(途端に牧歌的)

言仁が指であけた穴から覗き込む、もう「穴をのぞく」という行為自体がきわめて「あの世とこの世の端境」みたいなものを暗喩しているのに、そこにかぶさる「いかがにござりますか、そこからの眺めは」。

いかがにござりますか、そこからの眺めは…
いかがにござりますか…
いかがに…

ギャーーーー!!!

しかしそれはそれとしてあの穴から覗き込む清盛の目、瞬きの瞬間にブラックアウト、タイトルクレジットが出てからの「いかがにござりますか」畳みかけ、もう大好物すぎてヨダレがでます。この攻めの姿勢、推せる!平家はといえば跡目争いも含めてなんだかみなさんもやもやしてそうでこの先が思いやられることです。来週はもしやきよたんやらずぶったくりなのかというような絵面でしたが神木義経も出番がありそうで相も変わらず目が離せません。あと…6話か…!