「八犬伝」大千秋楽!

刈谷市のホールで大千秋楽、しかも日曜ソワレという遠征者泣かせなスケジュールながら大きなホールがぱんっぱんに入っていてそれだけでもちょっと感無量になりそうな(なぜお前が)光景のもと見届けて参りました。あーたのしかった!

たのしかった!

最初はこの大楽に観る予定なかったんですけど、東京初日を観た方の「なんべんでもみたくなるやつ」とのお言葉にその場でチケット買いに走るっていうね。いや、どんな番宣や媒体よりも、自分と趣味が合うひとの口コミほど信用のおけるものはないという俺の経験則が発動しました。こと芝居においては特に。楽日は前方下手側で、舞台の間口をコクーンサイズのセットに合わせて狭くしていたので割と見切れも発生したんですが、東京でセンターから観ていたのでそこは無問題でした。

遠征組やリピーターもそれなりにいたんだろうとは思いますが、でも大半が初見のお客様っぽかったなーという印象。なにしろ舞台で起こることひとつひとつへの反応がビビッドすぎた!ばーんと八犬伝のタイトルが出るところから拍手喝采だったのもそうだし、通路をつかった出ハケやその場での芝居にわっと沸き立つ感じ、これはコクーンではちょっと味わえない感覚でした(コクーンってむしろ通路使わない方が驚くぐらいじゃないか)(んなこたない)。

楽日らしいおふざけもちょいちょいありましたが、全体的にとても安定した出来で心から満足。田辺さんの説明台詞はもはやあれはあれで楽しむみたいな感じで眺めてました(笑)

それにしても、阿部サダヲのあの俄然強めな感じ、ほんと息を飲むし見惚れるし吸い込まれる。やっぱすげえわ、と知っていたけど改めて。あの「調子こくぜぇ?」「村雨、お前の妖気で俺を踊らせてくれ」って台詞の格好良さ、なにもかもが面白いように客席に届く届く。やー堪能しました。

楽日ということでカーテンコールでは3度目か4度目かのときに、おそらくスタッフさんからのサプライズでしょうなあ、紙吹雪がどさーっと出演者のみなさまの頭上に降って、いや落ちてきて(三人吉三のアレみたいな)、それが降ってきた瞬間の客席が一瞬早く「あっ」って驚く感じ、なんか鮮明に焼き付いてます。カテコで登場した瞬間から親兵衛をやった太賀くんが顔を覆って涙していて、それを尾上くんと倫也くんがやいやいといじってみたり、なんかいい光景だったです。あまりに素直な泣きっぷりにこの座組での楽しさがうかがえるようでぐっときたなあ。

挨拶では演出の河原まちゃぴこ先生からスタッフそれぞれへのねぎらいがあって、殺陣いっぱいあったでしょ、アレ全部つけてくれたのこのひとです、と前田さんをセンターに。でも前田さんはそのまま上手から下手に歩いてきてしまうっていう(笑)

DVDにしてくれないかなー、そんで演出家の副音声がつかないかなーなんて夢想中。まちゃぴこ先生のblogもどうぞお楽しみください♪