言わずにおれない

あのマチネとソワレと間違えて公演を飛ばしちゃった子のこと、子のことというかその事件についてなんとなくずーっとどこかにひっかかったような感じになってるんだけど、もちろん起きてしまったことはもう、彼が全面的にわるい。言い訳しようがない。自分がチケット持ってその場にいっててそんな理由で中止の憂き目にあったら(そしてリカバリできる状況になかったら)うんこ踏む呪いぐらいじゃすまないと思うもの。
でもあの時、マチソワを勘違いしてたってことがわかったとき、もちろん私もおいおいおいって全力でツッコミましたけど、でもその時にツイッターのTLに流れてきたツイートみて「ま、これがファイナルアンサーだよな」って思うものがあったんですよ。確か横田さんのツイートだったと記憶してるんだけど、「ともあれ無事でよかった。死ぬほど怒られるだろうけど」って。
そーだよな−、しぬほどおこられるよなー。それはしょうがない。でも「それ以上」のペナルティって必要なのかな?そのあと事務所との契約が終了したのは本人が言い出したのか事務所が言いだしたのかそれはもちろん当事者のみぞ知るだけど、でもしぬほどおこられて(場合によってはそれなりの対価を支払って)、それでもうあと出来ることは、自分がやったことを自分で取り返していくってだけなんじゃないかって気がする。もう、そりゃ、永劫言われるよ。それだけのことはした。でもそういう見方をする観客を、ああ、まあ、でも、いい俳優になったんじゃん。そう思わせてくれるところまでがこれから彼のやることじゃん。今は立派になったけど昔こんなことがあってサーっつー、演劇ファンのネタにまで昇華させてなんぼじゃん。
しぬほどおこられる。それはしょうがない。でもそのあとは、周りの大人が道を閉ざさずにいてほしいと思うの、甘いですかね。だって、みつをじゃないけど人間だもの。やっちゃいけないミスでもするとき、あるよ。ミスはしちゃいけない、それは当たり前。だけどしたミスがいっさい許されない世界こわい。だってそれは自分がやっても許されないってことでしょ。
私、彼にいっさい、思い入れないです。経歴見たら、舞台で拝見したことあるっぽいけど、正直記憶にないです。でも、今回のこと、起こっちゃいけないけど起こり得ることだと思うから、そして、アンダーとか立てない、替えの効かない、一人コケればみなコケる小劇場の世界を、だからこそ好きなひとりの観客として、彼がすばらしい役者となってまた舞台に帰ってくることを、楽しみに待ちたいと思います。