かいじゅうたちを、やっつけろ


パシフィック・リム見てきたよーい!って、今頃か!と総ツッコミされそうな気配をびんびん感じますネ!そうです今頃です。公開になったの確か8月の暑い盛りだったよね…。

仰るとおりすっかり見逃していたんです。いたんですが、なにやら名古屋の中川コロナっていうマイナー極まれり(ごめん)というような映画館で「4DX」というのをやってるらしいと。それがどうやら名古屋だけ、なんですって、全国で…知らなんだ(中川コロナのほぼ目の前!というようなところに住んでいる同僚にこの話をしたらやっぱり知らなかった。灯台モトクロス)。それで、先にご覧になった関東在住の皆様が見たい見たい遠征しようかな、とまで仰っているのを仄聞してえーそうなの、じゃあこんな近くに住んでいるのに行かない手はないのか…と10月のリバイバル上映を待っていたわけなのでごじゃいます。

4DXっつーのは公式サイトを見て貰うとして、いやー実際、どうなんじゃろ、とか思っていたのですよ。椅子、揺れてもなあ。水、かかってもなあ。的な。
甘かった。
もう、全力で、土下寝。
正直、コレで見て楽しい映画は限られると思う、思うが、ことパシフィック・リムに関しては映画の楽しさを倍にすると言っていいんじゃないでしょうか。スーツを着てイェーガーに乗り込むときのふわっと身体が持ち上がる感覚、着水するときの衝撃、プラズマキャノンを発射する前の振動、マジで自分がスーツを着てあのコックピットにいるような感覚を味わえるっていう。最初にビックリしたのはヤンシーがおそわれる時に怪獣に装甲を破られるじゃないですか。破られた瞬間に風が吹き抜けるんですよ。海での戦いが多いので、細かい水滴がリアルで顔に当たるのもものすげえ臨場感。ほんと、いろいろ芸が細かいというかシンクロ率がハンパないというか。
あれはちょっと、やみつきになりそうですよ。中島かずきさんが2回も名古屋遠征しているのもむべなるかなだよ。

物語としては、こうなるだろう!と思った方向にしか話が転がらないというか、死ぬだろう!と思った人が死んで、助かるだろう!と思った人は助かり、ラストはこうだろう!と思った通りになる。アバンタイトルどころか、オープニングものの3分で「いいからこの設定頭に叩き込めやああああ!!」とばかりに世界観の説明をこれでもか!とぎゅうぎゅう口に押し込まれるっていうね!

怪獣倒すにゃ刃物はいらぬ、と昔の人が言ったかどうかしりませんが(多分言ってない)、怪獣の体液汚染的なアレがアレで(ここものすごい勢いで説明が通り過ぎていった…)ガチのタイマン勝負が最善策です!的なことになっているのだが、中盤からはソードを使いまくりであった。いいんですかそれは。正直ガンダム世代なので早くサーベル出せよお!とか思ってたなんて言わないよ絶対。Co2もっと活用したらいいのにとかいろいろ思うことはあれど、最初の設定を早く呑み込んだもの勝ちですこれは。怪獣、それは、殴って倒すもの。しかし、あの山場中の山場で「ロケットパーンチ!」って聞いた時にはなんかもう、涙が出そうになった俺だよ。そこまで特撮/ロボ者ではない俺でもだよ。

そうなの、もう最初のさ、ジプシーデンジャーの出撃シーンあるじゃん。スーツ着て、パイルダーオンして(あれどう見てもそうだから)、イェーガーがゆっくりと動き出す。もうあのシーンでなんか無闇に胸が熱くなってしまったのだよ。過去に数多のアニメーター達ががだよ、その想像力の限りを尽くして描いてきた世界がここにいまこうしてある、みたいなもうよくわからん感動。あれなんなんだ。

しかも「見るなら吹き替えがいいですよ」とのオススメに従い吹き替えを見たのだが、前述の通り4DXでとてもじゃないけどこれ字面追えない、みたいな環境だったのでむしろ吹き替え以外ありえないのではって感じだったこと以上にこの吹き替えキャストが胸熱すぎる。わかってるなんてもんじゃない。古谷徹三ツ矢雄二千葉繁玄田哲章池田秀一とかもうね…!この映画をこの(吹き替え)キャストで見られるのは、日本人だけ!みたいなジャンプ煽りをしたくなるってもんです。おまえらのロボ物とのシンクロ率ないぜハンパ。

香港闇マーケットのボスで出てきたハンニバル・チャウがすごくいいキャラクター(1番好きな歴史上の人物と2番目に好きな中華料理屋の名前からとった、って紹介、心掴まれすぎる)だったんだけど、吹き替えがケンコバさんでびっくりした!すごい!全然違和感ない!出てくるキャラ出てくるキャラどこか「マンガ的」で、それもほんとしっくりくる。きすぎる。イェーガーに乗るには精神的にシンクロ率の高い二人のパイロットが必要、ってあたりもいろいろ萌えて燃えさせてくれる設定ですよなー。

ほんと楽しかったし、コレは文字通り「映画は映画館で観なきゃダメよね」体験のひとつでした。難を言えば4DX見ながらポップコーンとドリンクを楽しむのは無理、ってことぐらいです。食べる時間、エンドロールぐらいしかない(笑)