「身の引きしまる思い」城山羊の会

いろんなところで名前を聞くようになって気になってました。今回初見です。なんというか、さわればねっとりと手に貼りつくんじゃないかと思うような会話劇。観ながら、こういう芝居を観るのなんだか久しぶりのような気がする、とどこかで思っていました。こういう芝居ってどんな芝居だよと言われても困るんですけども。以下あんまりネタバレではないと思いますがこれからご覧になる方はお気をつけて。

どこからが現実でどこからがそうでないのかがわからない、と言ってしまえば簡単なんですが、城山羊の会を初めて見た私にはあの冒頭の挨拶からもうそれがフェイクなのかそうでないのかわからず、だから妙子の台詞に夢が入り込んできても、あれは夢の世界だったのか、そうじゃないのか、夢の中に夢が入り込んだような不思議な気持ちで観ていました。

しかし、石橋けいさんのエロさはすごいな…!あの研修と称する接客のときの、柏木とキスするエロさ尋常じゃない。あんなん私が男だったら一発でオチる。差し出しているのか拒んでいるのかわからない絶妙な間合いが徐々に「差し出してる」に針が振れるあたりほんとアレまじで男殺しすぎるでしょ!

キャストをちゃんとチェックしていなかったので、KONTAさんが出てきた時ビックリしました…喋って「んぎゃ!本物!」みたいな。色悪というんでしょうか、「女は殴らないよ、男は何人も殺してるけど」という台詞も違和感のない異物感(とあのハスキーボイスだからこその説得力)。ソファーの血をなめるとこ最高に最低ですばらしかったですね。

ピカレスクロマンと銘打たれていたのをあとで知りましたが、だからあのラストなのかなーと帰り道ぼんやり考えたり。ラストのどこか突き放した感じも「こういう感覚久々だなあ」とやっぱり思いました。ほったらかしてくれるの大好きです。最後の歌がしばらく頭のなかで巡っておりました。