2013年宇宙の旅


ゼロ・グラビティ」見てきたよー!IMAX3Dで!
「アルゴ」を見たときに、映画というのはひとつの体験であるということを実感させてくれる、と書いたんだけど、「ゼロ・グラビティ」もまさにそういう1本だったなーとおもいます。その「体験」にはもちろんこのIMAX3Dという巨大な装置が果たす役割もあるんだけど、しかしそれは副次的なものでもあるのかなあともおもいました。いや、IMAXすばらしいけどね!ほんとに宇宙の迷子になった気分になる。(以下映画の内容に触れます!)

自分は今映画館で見ているんだから、酸素が薄いなんてことは100%ないのに、映画の中のライアンに同調してしまって酸素を求めたくなるような感覚があって、あーこういうの芝居でも体験したことあるなあ*1と。宇宙に放り出される彼女をとらえていたカメラがだんだんその中に入り込んで、彼女の視点でヘルメット越しに地球を見るシーンとかすごかった。

ソユーズの中でライアンが宇宙服を脱ぎ捨て、胎児のようなポーズで浮かぶシーンの美しさったらなかったな。観客もやっとあそこで大きく息ができる感じがあった。

物語はきわめてシンプルだし、彼女がやらなければならないタスクは前半ですでに示されもしているわけですが、単なる一難去ってまた一難、ではなく、あの絶望的な状況(と、彼女自身の人生における絶望)を心理的、肉体的に乗り越えるさまが丁寧に丁寧に描かれていて、シンプルであるからこそ力強い物語を見せてもらったなあとおもいます。

それにしても、この映画のジョージ・クルーニーが天使すぎて、いろんな意味でうわああああんん!!!ってなったよ…私も宇宙に行くときはジョージと行きたい。ライアンがマットに娘のことを語るシーンすばらしかったな。

ラスト、重力のある世界に戻ってきた彼女はうまく立ち上がることができない。思わず前のめりに手をついた彼女は思わず笑う。そしてその両足に重力を感じながらしっかりと大地を踏みしめる。上映時間90分、人間の集中力がキープできる範囲内で一気に見せきる潔さ。堪能しました!

*1:燐光群の「CVR〜チャリー・ビクター・ロミオ」とか。自分も飛行機に搭乗しているような感覚に引きずられる