映画館で見た予告編がすげー自分のツボっぽくて、公開直後にいそいそ足を運んで参りました。ベン・スティラー好きだし!
以下畳まないけど未見の方はお気をつけて!
で、これ公式サイト見ているときに原題が「The Secret Life of Walter Mitty」、つまりウォルター・ミティの秘密の生活(邦題は「虹を掴む男」)だと知って、んもうウォルター・ミティと聞いたら劇団ショーマ、高橋いさをさんの「ウォルター・ミティにさよなら」しか出てこない。このジェイムス・サーバーの原作も読んだことがなかったので、あのタイトルがここからきてたのか!というのを20数年越しに知ったという。原作読んでみたいです。
- 作者: ジェイムズ・サーバー,鳴海四郎
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2014/01/10
- メディア: 文庫
- この商品を含むブログ (7件) を見る
恥ずかしながらというか、私も、ウォルターほどではないにせよ、あんな風に「空想」の世界にぶっ飛んじゃうことってままあるのですよね…それこそ映画の中のヒーロー妄想もそうだし、ありえない巨大メカ的な世界を空想しちゃうこともあるし、ウォルターが出会い系サイトの管理者に「それで生活やってけるの?」って聞かれるけど、まあ支障がないほどにはやっていけるわけですよね。
だから彼が現実ってやつに正面からドカドカぶつかって、「これ現実!?」と聞く気持ちちょっとわかるんだよなあ。
この映画、個人的に音楽がドンズバで、ショーン・オコンネルの撮影した写真に呼ばれてウォルターが会社を飛び出すシーンにアーケイド・ファイアの「WAKE UP」がかかったり、アイスランドで酔っぱらいの操縦するヘリに飛び乗るときの音楽がボウイの「Space Oddity」だったり、この映画に書き下ろされたというJose Gonzalezの「STEP OUT」もすんげーかっこよくて、サントラ欲しくなってしまったものなー。とくに空想の中の彼女が歌うSpace Oddityに後押しされてヘリに飛び乗るシーンはほんっとイイ!
しかし、不思議な手触りも残るというか、アフガニスタンの高地であんな、電話がつながるものかしら、みたいなところもありますよね。いや、あら探しというのではなくて、やっぱり「どこまでが空想で、どこからが現実」なのかがくっきりと線が引かれているわけではないような感覚があったんだよなー。そこも好きな所ではあったんですけれども。とはいえ、シェリルの家で元旦那と鉢合わせして逃げ帰ったときのタクシーで、自分の妄想に嫌気がさしてしまうシーン(あれすげえよくわかる…)もあるので、あそこが線引きのような気もするんですが。
しかし一番ぐっときたのはやっぱりショーンとの会話だな。あの、自分にとって最高の瞬間を写真に邪魔されたくない、って台詞、すごくよかった。そしてショーン・ペンってやっぱめちゃくちゃ格好いいのな!なんなのあれ!
25番のネガのゆくえを探るという、どこか謎解きめいた楽しみもあり、ぶっ飛んだ空想世界とままならぬ現実、「書を捨てよ町へ出よう」じゃないけど、一歩踏み出したウォルターが出会う「世界」の鮮やかさを堪能できる映画でした。