「ミッション・インポッシブル/ローグ・ネイション」


おおおおおもしろかったです!!!!公開翌日の土曜日に観に行って、次の水曜日に矢も楯もたまらず吹き替えも見に行ってしまいました。いちおうシリーズ全部見てますが、今回がいちばん好きかもしれない。画像は入場者特典で配られたポストカードのデザインで、今までの5作品の有名なアクションシーンのモチーフになってます。ほかの4つもちょうおしゃれ!私はMI3のをもらいました!

最初にこのトム・クルーズ主演の「ミッション・インポッシブル」が映画化されたとき、「スパイ大作戦」の大ファンの三谷さんが「トムはすっごくかっこいいけど、スパイ大作戦の良さはチーム戦にあるのに」的なことを仰っていて、ああ、わかる…と思ったんですよね。で、このシリーズMI2まではほんとトムさま無双にもほどがあったと思うんですけど、3あたりからだんだんチーム…?かな?みたいな感じになっていて、4で「ああ、チーム!」って感じになったと思うんですよ。それが今回は、キャストがほぼ4から続投ということもあり、最初から最後までチーム戦の様相がうしなわれておらず、そりゃちびっ子の頃からAチームとかチャーリーズエンジェルとかをかじりついて見ていた私が好きにならないわけがない感満載でした。

1から出演しているルーサー、3で初お目見え、4で現場デビューだったベンジー、前回のキーマンだったブラントという3人のキャラクターがきっちり立っているうえに、今回のヒロイン、イルサを演じたレベッカ・ファーガソンがんまあ綺麗だわ格好いいわかわいいわつええわ。敵役のソロモン・レーンを演じたショーン・ハリスもすごく雰囲気のある人で、どこかで見たかなと思ったらあれよ、「ボルジア」でミケロットやってた人だったわよ!わー!わたしの酷薄好きのツボをぐいぐい押してくる!

できれば近いうちに4DXでも見たいな…と今作戦を練り練りしているのですが、2時間手綱を緩めないアクションのつるべ打ちに加え、それぞれのキャラクターが醸し出すおかしみも味わえて、もちろんトムさまカックイイイイイ!!!としびれる瞬間もちゃんと用意されている映画。ほんとおすすめです。迷っている方はぜひ!!

というわけで、以下はネタバレありありの感想でごじゃます!最後の最後の展開まで書いてるよ!!たたむよ!!

  • いやもう最初にこれ言っておこうか。ベンジーかわいすぎた。か わ い す ぎ た
  • あのCIAに吸収されたIMFでさぼってゲームやってる登場シーンから、ウィーンオペラでのイーサンとのやりとり、そのあとのイーサンに対して勝手に呼んで勝手に帰れとかなんだよそれリスクはわかってんだよ俺は残る!って啖呵きるシーン、イーサンの能力に対する無限大の信頼(という名の無茶ぶり)、そしてあのカサブランカでのカーチェイス
  • あのカーチェイスはシリーズ屈指の名場面だと思うんですが、それはまさに緩急の付け方が絶妙だからというのと、なによりあの横にベンジーが乗っていて、「わたしたち」の心情を代弁してくれてるってのもあるんじゃないかと思う。stairs,stairs,stairs!!からの、途中一瞬なんか無になったような表情とか絶妙すぎました。イーサン達を探していたブラント&ルーサーとの思いがけない邂逅の見せ方も最高!
  • あのカーアクションの末に気絶して「わあ!あぶない!」つって目が覚めるところとか映画館が笑いと共になんともいえない温かみに包まれたもんね…
  • ベンジーはまさに今回のキーマンで、本来ならヒロインの役回りになりそうな(実際、3ではイーサンの妻がその役割を担っている)ポジションにベンジーがいるわけですが、それが成功しているのはサイモン・ペッグというひとの役者としての類い稀なる愛嬌と、そしてベンジーが今までのこのシリーズで積み重ねてきた物語のたまものだと思うわけですよ
  • これが男でも女でも、ポッと出のキャラだったらぜんぜん違ったとおもうもの…
  • オペラのシーンといえば、トゥーランドットと出た瞬間に「ハイ誰も寝てはならぬきました〜!」と思ったけど逆にこれで「誰も寝てはならぬ」使わなかったらびっくりだよ!この「誰も寝てはならぬ」の旋律が今回あのテーマソングと共にかなり全編を通したテーマになっていて、クールな女スパイであるイルサが氷の姫トゥーランドットでもあるんかな〜と思う展開があちこちにあった
  • ここでセットの中からターゲットを狙うイルサの美しさ、マジはんぱねえ!このシーンうまかったよな〜、観客はまだイルサが完全に味方かどうかわかんない(イーサンにもわかんない),照明室の敵か舞台上の敵かでどっち!ねえどっちよ!ってなったもんなあ
  • あの裾のひるがえるゴールドのドレス、あの足、脱出するときの「ねえ靴。脱がせて」とかほんと…イルサ姐さん最高ですよ…
  • ロッコでの不思議な水槽金庫(深くツッこんだら負け)でのミッションぶりはもうミッションをむりやりインポッシブルにしてる感すごくて大好きです。こうでなくちゃ。あのカードとかさ、え〜〜どっちがどっちなの〜〜〜!って普通にひやひやしちゃうもん。いいお客さんだもん。
  • しかし、あそこでイルサ姉貴のまさに「漢!」ぶりすさまじかったね!こういうのがシリーズ重ねてきたからこそというか、最初の頃だったらこういう構図は絶対なかったと思うな〜。でもここでイーサンがいったん弱ってからのカーチェイス、そしてバイクアクションと続くのがまた見事な緩急なんだよね
  • あそこでなんか目がぐるぐるしたまま車飛び越えきれなくてこけちゃうとか、「さっきまで死にかけてたのに運転すんのか!?」って言われて「何言ってんだ!?」て返しちゃうとことかほんといい。ベンジーがそのちょっと前にさ、「いつか間に合わなくなるぞ」っていうのがまたいいんだよね…!
  • 私はあのカーアクションでイーサンがサイドブレーキ引いて追っ手をギッタンギッタンにするところと、バイクチェイスのすえに同様にギッタンギッタンにするところが大好きです。なんつーか、今回のアクションのツボさってどっか地に足ついてる感あるというか、人間の肉がぶつかる音がするっつーか、そういうのが好きなんだなとしみじみ思いました。
  • タイトルクレジットに「サイモン・マクバーニー」の名前があったので、どこで出てくるのかなって思ってたら「ここしかない!」みたいな出方だったので笑いました。笑いました。TTSSの時もそうだったけど、ほんとこういう役似合う。あのときも「人間はこうまで嫌味にパンにバターを塗れるものなのか」って思ったけど今回もまあにくそたらしい!すき!(すきなんかい)
  • イルサと4人が駅で会うシーン、あそこでイルサが3つの提案するじゃん。これはまんまトゥーランドットなのではないか。「心さえ決めればなんだってできる」ってイルサが言うけど、わたしもほんといいよイーサン逃げても…とかちょっと思ったもんね。それほど3つめの提案魅力的だった。この比類なき二人が飛んでいくところを見てみたいつーか
  • というところにまさかの拉致られベンジーっていう!おい!こういうのどっかで見たことある!このあとのぐるぐるイーサンもなかなかにすごかった。何回「ベンジー」言うんや。ところでベンジーがこのシーンで着ている(つまり、このあとのクライマックスもずっと着ている)パイプふかしたアライグマのTシャツが絶妙にかわいいんですけどあれなんの罠なんですかね…
  • あのロンドン塔でイーサンがベンジー越しにレーンに語りかけるけど、レーンの言葉を伝えるベンジーの押し殺した声がまたいいんよなー。サイモン・ペッグほんとうまい。
  • でもって、私が今作がシリーズで一番好きかも,と思う最大の理由はラストです。これだ…!ってなった。ふるえました。アクションシーンのうえのラスボスの最期って、もう大概の展開やりました感あるし、正直MI3のフィリップ・シーモア・ホフマンの最期なんて「そりゃないぜ」って感じあったけど、今回のはまさにチーム戦、まさにスパイ大作戦、しかも私の大好きな「ループして終わる構図」!!絵的にもフェティッシュでほんとにすばらしい。またショーン・ハリスの悔しさに歪んだ顔がいっそうあのシュチュエーションを引き立てるよね!それを4人が囲むというあの構図…!最高!最高!
  • 最後に美しきトゥーランドット、いやイルサは去っていくけれど、あそこで「私を捜せるわね?」といって去っていくのがまたいい!だから吹き替えの「その気になればいつでも会えるわ」じゃなくてこっちの訳をとりたい私だ(だってトゥーランドットだもん〜)
  • 字幕も、いくつかむむ?ってとこあったけどまあそこまでアレでもなかったし、ベンジーがイーサンに食ってかかるところとかはサイモン・ペッグの芝居を堪能できるのでオススメだし、吹き替えは吹き替えで「こうでなくっちゃ…!」というどんぴしゃな布陣できていて文字通り「ヘタがひとりもいない」どころか「全員がハマリ役」という最高の環境で堪能できるので、結論としてはどっちもみればいいじゃない!って感じです!

いやーしかしほんと面白かった…間違いなく円盤買ってしまう系ですねこれは。次の作品もスタートしているとの話ですが、ほんとできればメンバー続投してほしい…!限りあるチームを大切に!そして飛行機にしがみつくとかいう超弩級のアクションシーンをスタントなしでやり遂げ、あまつさえそのシーンをアバンタイトルで使ってしまうというトム・クルーズの懐の広さ!あんたすげえ!すげえよ!