「ナイトクローラー」


LAの夜を徘徊し、警察無線を傍受してイチ早く事件現場にかけつけショッキングな映像を撮り、それをマスメディアに売りつけるパパラッチを描いた映画。ケチな金属泥棒をやっていた主人公は、ある日高速道路での事故現場に偶然出くわし、そこで報道専門のパパラッチの存在を知る。彼は盗品を売った金で無線とビデオを買い、見よう見まねでLAの夜に繰り出していく…

主人公が一点の曇りもなく、正真正銘人間のクズです。もう言い切る。彼には彼の真実がとか言いたくない。私がもともとパパラッチ嫌いというのを差し引いても、彼は完全に常軌を逸している。でも、あれを社会病質者といってくくっておわりにしたくはない。彼は常軌を逸しているが、それを後押ししているのはその映像を買うマスコミであり、口ではうんざりだと言いながらも、より刺激的な映像に飛びつく視聴者であることは間違いない。

ジェイク・ギレンホールの目がもう、とにかく印象的で、ほんとに「引きずり込まれそうになる目」だったなあ…。基本的に、役柄と演じている人は完全に分離してみるけれど、あまりにもすごすぎてちょっと苦手になってしまいそうだよ!そうそうに何か違うタイプの作品を見て印象をフラットに戻したい。それぐらいすさまじい。特に、プロデューサーのニナに性的関係を迫るところのクズっぷりはすごい…

ショッキングな場面に流れるおだやかで美しい旋律がすごく印象的で、あと終盤のカーチェイスの映像も私のすきなタイプだった。MIローグネイションを撮った撮影監督と同じ人なんですね。撮影監督によっても好みがわかれたりするのかなー(ど素人の感想)