「アントマン」


マーベル・シネマティック・ユニバース、フェーズ2のラスト(あれ?フェーズ3のトップ?)を飾る作品!たいへん楽しかったです!!最初はアントマン…つまり蟻…蟻がいっぱい…大丈夫やろうか(虫が苦手なもので)と一抹の不安も抱えつつだったのですが、たぶん他の多くのみなさんと同じように「アントニーかわいい(はあと)」ってなってましたのできっと私みたいなひとでも大丈夫だ!アントニーが何かは見てのお楽しみだ!

MCUももはや作品数が両手の指の数より多くなってきて、いやもう、どこから見ればいいんだかわかんないですし!的な方もいらっしゃるかと思いますが、「アントマン」はMCUの一環ではあるものの単体作品としてはとーーっても見やすい(ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーとそのあたり共通しているかも)ので、MCUいっこも見たことない!ってひとでもとっつきやすいんじゃないかなー。でもって、今作の主人公スコット・ラングがバツイチ子持ちの前科者という、今までのMCUの主人公たちの「天才か超人か」みたいなところからするとぐっと身近なのもいいよね。「娘のためにがんばるおとーさん」という骨格があるので、こっちこそ「家族愛」推しでもよかったのでは…?と思ったり。

あと私がこの映画で好きなところはユーモアのセンス!あのトレイラーでも流れてたトーマスの場面ももちろんだけど、ルイスをはじめとする3バカたちとのやりとりはすべからくおかしい。最初と最後に繰り広げられるルイスのリップシンクばっちりな「俺のダチの兄貴の女が…」的な語り最高です。イエロージャケットとのアクションシークエンスでも何回もウシシシって笑っちゃうとこあったもんなー。

この軽妙洒脱さは主役を演じているポール・ラッドの力に依るところも大きいのかもしれないですね。なんとも言えない愛嬌があってかわいさもあって。しかし、さっきスコットは今までの主人公に較べると身近…とは書いたものの、金庫破りに至る過程でわかるように相当にデキるタマなのであった。あのテンポの良い見せ方、スコットの魅力を存分に伝えていて、あそこだけでスコットのことが好きになっちゃうもの。

この映画でマーベル作品における「天才」の部分を担うのはハンク・ピムという科学者で、実際彼は初代「アントマン」なんだけど、娘ともこじれてるわ弟子ともこじれてるわ、アベンジャーズ(っていうかトニー・スターク)を毛嫌いしているわとなかなかに面倒くさそうなひとなのだが、これを演じているのがマイケル・ダグラスでいやー素晴らしい。頑固親父なのにめちゃくちゃ魅力的。ファーストシーンの若き日のピムがほんと若い頃のマイケル・ダグラスそのまんまで、す、すげえ!ってちょっと感動しました。

以下ちょっと今後(シビルウォー)につながるかも知れない話とネタバレ
スターク社の使われてない倉庫、だったはずがアベンジャーズの新基地になっているのと、「奴ら(アベンジャーズ)は空から街を落とすので忙しい」っていうピム博士の嫌味たっぷりな台詞から考えて、ウルトロン事件のちょいあと、という感じなんでしょうか。ファルコンとアントマンのバトルシーン、スコットが「わーっファルコンだ!」って喜んじゃうのがちょうかわいい!!っていうか、エージェントオブシールド見てたりしても、このキャストがアベンジャーズの面々と対面したりしないのかなーって想像しちゃうタチなので、この間まで一般人だったスコットのこの素直な反応がステキだし、彼がシビルウォーでキャップ陣営に加わってくれるのがすんげえ嬉しい。ちょうテンションあがる。

やっぱり蟻さんたちも協力してくれるのかなシビルウォー。いやしかし自分でもまさか蟻をみて「かわいい…」とか思うようになるとは。スコットがアントニーにお水あげてるとこ大好きだし、あの角砂糖のところのおかしみ最高。研究所での作戦でも、蟻さんたちにちゃんと退避行動が用意されてるのもかゆいところに手が届く感じだよね…!

しかしダレンはなんというか、まあヴィランではあるんだけど、ほんといろいろこじらせてる感がすごかったですね。最終的に「ハンク・ピムが俺よりどこの馬の骨ともわからない前科者を選ぶとは!」みたいな怒りに転じてなかったか。なんとなく同情を禁じ得ないひとではあった…。イエロージャケットとの対戦、個人的にはあのスーツケースの中でのファイトシーンと、そのオチ(卓球ラケットでスパーン!)が最高に好きでしたし、なにより「小さくなってどこにでもいける」って問答無用でワクワクするのなー。最初に縮小化しちゃう場面でひとの靴に踏まれそうになったり、ネズミとご対面したり、ターンテーブルの上に乗っちゃったり、みたいなことがいちいち魅力的に描かれてるなーと思いました。

しかし、残念なのはIMAXでの上映がなかったことですよ…3Dの効果がすごく堪能できる作品なので、もったいない、ほんとにもったいない、と思います。最近時期をずらしてIMAXや4DXで上映してくれたりもするので、アントマンもその時流にのってくれますように!