「黒塚家の娘」

SISカンパニーの主催公演で「日本文学シアター」と銘打たれたシリーズの4作目。今回はタイトルの通り、「黒塚」が題材になっています。

「黒塚」は歌舞伎で見たことがあるのと、あと木ノ下歌舞伎で上演したものも拝見していますが、個人的にこの木ノ下歌舞伎で見た舞台が相当ツボでして、それもあって題材としては相当好きな部類です。ポスターの意匠もなかなかにゴシックホラー風味で、シリアスに寄った見せ方になるのかな〜と予想していましたが、けっこうファニーな演出も多く笑いがよく起こっていました。

紛れ込んでしまった霧の中の世界、のぞいてはならない奥の部屋に積まれた白骨死体、明かされる老婆の正体…と黒塚のフォーマットを踏みつつ違う世界の入り口を案内していく見せ方が面白かったです。あとやっぱり渡辺えりさん強い。そして私はどうにもこうにも強い芝居をする人が好きなのだった。