「ハイバイ、もよおす」ハイバイ


(ブログにあげてもいいんでしたっけ…)
恒例の新年工場見学会で上演された短編3つ詰め合わせ、とのことで、新年工場見学会にはなかなか行けない地方民には嬉しい企画です。とはいえ、観劇仲間でこの新年工場見学会に毎年足を運んでいる方がおられるのですが、先日お話を聞くまで実際に工場に見学に行っている(そしてなんかそこで、芝居がある)と思っていたのは私です!

RPG演劇のニセモノ、大衆演劇のニセモノ、ごっちん娘の順で上演され、岩井さんが繋ぐ形式。大衆演劇のニセモノは写真撮影可ってことで、携帯を機内モードにしておいてねという案内あり。これ、2列目センターだったし、こういう趣向は乗っかってナンボ、と思っているので、けっこうがんばってパシャパシャと撮ってみたのだけれど、あれですね!芝居を見ながらカメラで撮る、めっちゃ難しい!カメラってフィルターを通すと途端に視界の自由を奪われる感あるし、とはいえ画面を見ないと撮れないしっていう。

私はまったくゲームをやらないので、RPGもなるほどこういうものがRPG…と思いつつ、田村健太郎さんの絶妙なウザ芝居にかなり腹筋を殺されました。個人的にはあそこで父が!となるよりも母自身が勇者であってほしかった(もしくはお父さんを探すうちに強くなりすぎてしまった勇者でもよい)。川面千晶さんのアイドルもよかったなー。

私は小学校時代を愛知県名古屋市で過ごしまして、小学校高学年になったらけっこう本格的な「部活動」がありました。週1の「クラブ」ではなく、放課後毎日がっつり残る「部活動」です。私はバスケ部で、ポジションはガードでした。同学年にすごく背の高い、そして体格のいい女の子がいて、センターのポジションをやってました。ごっちん娘を見ながら、ものすごく唐突に(だってもう30年以上昔の話ですよ、覚えてないと思ってたよ)その子のこと思い出してた。多分ねえ、私は、彼女に何度か、その体格がうらやましいというようなことを言ったことがあると思う。私はその頃から(そして今に至るまで)ちびっこで、バスケットボールという競技においては背の高さはまさに正義そのものだから。彼女はどんな顔をして私の言葉を聞いていただろうか?もちろん全然覚えていない。名前だって覚えていない。

発育が良い、という絶妙ないやったらしさを隠した表現で評されることの多い、この年代の「体格の良い女子」の、文字通り悲哀、悲哀というよりももっと苦しい、その息苦しさが爆発して、彼女は常ならざる者になるわけだけど、こういう「山月記」のような寓話的展開になってくれてよかった。このままリアルにつきつめられたらマジで覚えていない古傷に焼き鏝押し当てられるみたいな痛さになるところだった。岩井さんの書くキレのある短編大好きなので、またこうした企画も見てみたいです。