「ベイビー・ドライバー」


(公式でオープニングの6分間が公開されております!)
エドガー・ライト監督新作!コルネット三部作がすごく面白くて、この作品もトレイラーが公開されたときに面白そうすぎる!!!!日本公開なる早でお願いします!!!と思っていたので、この夏休みのハイ・シーズンに上映館少な目とはいえ公開されたのほんと嬉しいです。

世の中には、文字通り音楽が血肉となっている人っていると思うんだけど(ちなみに私はそうではない)、エドガー・ライトはまさにそういう人なんだろうなーと思う。ワールズ・エンドやその他の作品でもすごく画面に特徴的なリズムのある人だなあって印象があったけど、今回はまさにその音楽が物語を語る、運んでいくというスタイルで、ありとあらゆる効果音のタイミングが音楽のリズムとぴったり合う、麻薬のような快感を120分間ずーっと浴びられる!っていうね!

物語自体はかなりオーソドックス(ヤクザな商売を心ならずも手伝わされる青年、恋、その世界からの脱出)なんだけど、これらをすべて音楽を媒介にして見せていく楽しさとハマりっぷりがすごい。冒頭のカーアクションとタイトルバックが出るところまででもう、お金払ってもいい、と思わせるぐらい、気持ちよさがぎゅうぎゅうに詰まってます。音楽を媒介にして人とつながっていくのはベイビー(主人公)そのものでもあって、「つながった」瞬間にベイビーが見せるささやかな表情の変化がすごく印象的。ジョーとのやりとり、いちいちよかったなああ。あの、ピーナッツバター隅まで塗って、っていうところ、すごい好きだった。

いい人フラグなのか?と思ったらラスボスだったり、ラスボスなのか?と思ったらあっさり死んだり、冷血鉄仮面なのか?と思ったら最後にそれかよーー!だったり、キャラクターの動かし方が定石通りじゃないのもとても面白かったです。たぶん、もっと音楽に造詣が深くて、選曲の妙も感じ取れるバックボーンがあったらさらに面白いんだろうなあ!と思う。しかしながら私にそのバックボーンはないのであった。ざむねん。

続編?という話も聞こえているようですが(それほどヒットしている、すでに全米興収1億ドルを突破)、ベイビーにまた会いたいような、この物語はこの物語で閉じても美しいような…もし続編が見られるなら選りすぐりのチーム・ノワールが見てみたい気もしまっす!