「ロッキー・ホラー・ショー」

いのうえさんの演出で上演されたのが6年前になりますか、新たに河原総代を演出にすえての上演でございます。主演は同じく古田新太

いのうえさんの演出も楽しかったけど、個人的には河原さん演出の方が肌に合った感じがありました。河原さんの音楽センスというか、音楽面での演出力を信頼しているというのもありますし、あと「観客巻き込み型」の芝居での絶妙な勘所をさすがに総代はおさえてらっしゃるというか、うまーいことこっちの手を引いてくれて、波に乗せてくれる感じがありました。このあたりはさすが餅は餅屋といったところなのかも。あと、キャストも音楽的に強いメンバーがそろっているのもありますし、ゲゲゲイの振付も好きなので、「好き」要素がうまーく詰め込まれた幕の内弁当のような楽しさがありました。
 
古田さんが安定の出来なのはいわずもがなですが(あの登場シーンの千両役者感すごいよね)、個人的にMVPをあげたいのがジャネット役のソニンちゃんとブラッド役の小池徹平くんのコンビ。オー!マイキー!を彷彿とさせるような「絵に描いたアメリカン」を絶妙な温度で演じてみせるところ、そこからの展開、いずれも二人に得がたいキュートさが備わっていてすばらしいの一語でした。このふたり、キンキーブーツでも共演していたけど、一度王道ミュージカルラブコメを真正面からやってみてほしい。なんというか、ゴールデンコンビの趣があるとおもう!あとアヴちゃん、ほんとにバービー人形みがすごい。なにあのスタイル。絶対芝居心あるひとだと思うのでこういう機会がもっとあるといいなーと思いました。

あとね!幕間に錚々たるグラムロックの名曲がかかるんだけど、そこでイエローモンキーの「アバンギャルドで行こうよ」流してくれて…ほんとうにありがとうございます…もう足を向けて寝られない!

大楽前日ということもあり、すでにわきまえた観客の方も多くいて、ノリノリな客席だったのもよかったです。目の前に持参の(グッズではない)強めペンラをお持ちの方がいたんだけど、使いどころを完全に把握していたのが楽しかったです。