「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」

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アンソニー・ルッソジョー・ルッソ監督。MCU最新作、「アベンジャーズ」「エイジ・オブ・ウルトロン」に続く3本目のアベンジャーズ集合作品で、来年の「アベンジャーズ4」(副題はまだ発表されず)でいよいよシーズンフィナーレとなります。
いやーーーーーちょう面白かった!!!!!!
とにかくむったくた面白かったので、MCUはなんか聞いたことあるけどシリーズの作品全然見てない(一部しか見てない)からなーとおもって気が引けている向きには、とりあえず映画館に行って見ていらっしゃいよ、話はそれからだと言いたい。それでハマらなくてもね、たとえばのちのち「スターウォーズの1作目を映画館で見たんだ」みたいな、それを同時代で体験したことそのものが貴重な体験となって語られる類のやつ、インフィニティ・ウォーはそういう部類に入る映画なんじゃないかと思う。同時代でこれを体験した証として一度足を運んでみてください。それで気に入ったらそれぞれの単独作を見てみたりしてください。それに今ハマれば来年のシーズンフィナーレにはこのお祭り騒ぎを一緒に体験できる!飛び込むなら今!
以下、話の展開をがっつり書くのでまだ見ていない人はこの先見るべからずです。いやマジで。読んでから決めよう~とか言ってクリックしたらアカン!アカンで!

繰り返しますけど、とにかくめちゃくちゃ面白かったです。150分の長尺をものともしない、一瞬たりともダレさせる時間がなく、いわゆる「トイレタイム」がない。全編アクション、クライマックス、ハイライト、その釣瓶打ちでした。公開前から「キャストにすべての脚本を渡していない」「ギリギリまでマスコミ向けの試写もやらず、レビューも出さない」「公式から鑑賞後もしばらくの期間はネタバレ避けるべしという緘口令」などなど、これだけ全貌を見せずに想像力だけでパンパンになったところで公開するのはあまりに冒険すぎるのでは、と若干危惧していたところもあったし、今回は何しろ出てくるキャラクターの数が桁違いで、しかもそれぞれが単独映画の主演となるようなキャラばかりなので、いったいどうやってそれぞれに見せ場を作るのか(めっちゃ蔑ろにされるキャラもあるのでは)と思っていたんですが、いやはやそれら全部の不安をぶっ飛ばしてくるんだからルッソ兄弟おそるべしです。

圧倒的な力を持つラスボス「サノス」の非情さを冒頭からこれでもか!と見せつける展開、ヘイムダルとロキがここで命を絶たれるという…いや正直ラグナロクの最後のショットからしてロキはまあそうなんだろうなとは思っていたんですけど(一度サノスの傘下について失敗しているし)、しかしそのシーンがアバンタイトルでくるとはっていう。ほんとこれで一気に緊張感が高まった。なんだかんだ言っても助かるよねという安全ネットがここで取り払われましたよね…私の隣で観ていた女性が文字通りヒッと息をのんでそのあとしばらく泣いていたので心が痛んだよわしも…。

地球にある2つのストーンをブラックオーダーが奪いに向かい、ヘイムダルによって地球に送られたバナーがその危機を知らせ、ストレンジとトニーのNY組が最初のバトルに参加し、それをスパイディが手助けする…という流れからのマウと共に宇宙船でタイタンに移動するという流れ、もうひとつのストーンの持ち主であるヴィジョンとワンダの関係性からバトルへの展開、そこに現れるソコヴィア造反組であるキャップ、ウィドウ、ファルコンという展開、壊滅させられた船の救難信号(冒頭)でやってきたGotG組とソーの邂逅、コレクターの保有するストーンを巡って分離するGotG組…とこれらがまったく無理なくストーリーラインを形成して、かつサノスの思想もガモーラとの関係を通じて掘り下げるっていう、いやこれほんと…どうやって話を整理したんですかって聞きたくなるぐらい見事です。

かつ、タイタン、ワカンダ、ニダべリアに分かれたそれぞれのストーリーの中で、クロスオーバーの醍醐味を堪能させてくれるところがすばらしい!ほんとに夢の顔合わせがいくつもあった。ワカンダでオコエとウィドウが共闘したところとか、これー!これ見たかった―!って思ったところにワンダ登場でさらにアガるし、タイタン組の対サノス戦なんてもはや見所しかないし、あんなに全員に持ち味を発揮させたコンビネーションが見られるってほんと、夢かよ!?ってなりました。しかもめちゃくちゃシリアスな展開なのに、随所に挟まれるユーモアがしっかり効いてるのがまた素晴らしい。「オリンピックとかスターバックスとか」「髪切った?」「髭真似たな」「だから…死ぬぞ?」「俺は今透明に」あっはっは。

出てくるヒーローたちがすべての力を尽くして、一度は成功するのに、最終的には失敗してしまう(石を奪われてしまう)こと、ソーが一矢報いるけど、でもガントレットにすべてのインフィニティストーンが揃い、指は鳴らされてしまう。サノスのあのためらいのなさ…あれが正義、いや、大義だと信じているからこそ愛しているものを切り捨てることに一切の迷いがないんだろうなと思う。そのあとの静寂から始まる、文字通り戦慄の終幕。

私はCAWSでこのMCU沼に浸かった人間なので、最初にバッキーが文字通り塵となった時点で一瞬思考停止状態になったのですが、そのあと陛下(ブラックパンサー)が消えたところでちょっと冷静になり、GotG組が消えたところでなるほどこれは誰が消えたかよりも誰が残るかが重要なんだな(なぜなら陛下もGotGも続編があるから)と思考を切り替えたのですが、それでもピーター(パーカーのほう)、君はダメだ。あんなトニーの心を抉りまくってどうする。また塵となったかけらを一瞬手で掬おうとするRDJの芝居がもうダメだ。

とはいえ、ラストでトニーが残り、キャップが残り、ソーが残り、ナターシャ、バナー、ローディが残り…この時点で喪失感よりも興奮が上回っていたというか、これはストレンジが示した何千万分の1の勝ち筋であるに違いなく、そして結局のところ、このMCUが描いてきた壮大なユニバースが、最後にはまた彼らオリジナルアベンジャーズの手に還ってくる、というこの物語の流れにめちゃくちゃしびれました。やばい、もう、明日続編を見せてくれ!っていう気持ちになったし、来年までぜったいにしねない!!!!って強く思いました。何度も言っているように、私は最初と最後で物語が類似する構図が大大大大好きなので、この映画全体での物語の流れが、美しい弧を描いて来年のアベンジャーズ4に収れんしていくのだ!ということに文字通り萌えて燃えました。しかも!これはシビルウォーのときから書いていましたが、あそこでキャップに自ら盾を置かせた、そして今作ではキャップはあのシンボルともいうべき盾を手にしていないしトニーとも会っていない、もうこれはつぎの4であの盾を!トニーが!キャップに!渡す!もう絶対そうじゃあああああん!!!と思うとほんと夜眠れるけど朝起きられない。ここまで引っ張って引っ張ってひっぱりまくってきたアッセンブルをキャップが口にした瞬間興奮で気を失うんじゃないかと今から心配です(気が早い)。

それぞれのキャラについて書き始めたらちょっとキリがないのでそれはまた別にするとして(するんかい)、とにかく待った甲斐のある映画でした。新鮮な気持ちで観たい、できれば誰の前評判も入れたくない、と思っていたので最終的な予告編が出て以後は動画リンクは一切踏まず、1か月前から情報系アカウントをミュートし、さらに1週間前からキーワードをミュート設定し、2日前から初日に行くであろうアカウントともしかしたらMCUの話題をするかも?というアカウントを軒並みミュートして、インスタとyoutubeは一切見ない…という対策で乗り切りました。来年の公開も全世界同時になるんじゃないかと期待していますが、万が一日本だけ遅れるみたいなことになったら今度は海外鑑賞待ったなしだなと思っております。来年がホントに待ち遠しい!