「レディ・プレイヤー1」

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スティーブン・スピルバーグ監督。タイトル、「READY  PLAYER ONE」という字面で見る方が多分納得感高い。ゲーム世界へのログインの合図というか。どうしようもないスラム化した現実社会の中、あるカリスマプログラマーが作り上げた仮想現実世界「OASIS」を巡ってひとつのゲームが仕掛けられる。

このOASISを作り上げた天才プログラマーが80年代ポップカルチャーヲタクであり、ゲームのそこかしこにポップカルチャーからの引用が仕込まれているという設定なので、私たち(私は1971年生まれ)の世代が触れたあんなものこんなものがこれでもかー!!!とばかりに大盤振る舞いされるっていう。かつ、物語のおおきな展開がOASISと現実世界双方で展開していくので、見ているうちに今自分はどっちの世界に軸足を置いてるのか?が混然一体となってくるのも面白い体験でした。最初にこの世界線の説明がナレーションでなされて、すでにゲームは開始されてるっていうのもすっきり物語の中にはいっていけて良かった。

私はゲームをまったくやらないので、ゲーム界隈の引用はまったくついていけてないし、物語の構造そのものがゲーム世界を模しているので、自分も自分なりのアバターを選んであの世界に飛び込みたい!みたいな欲求はないんですけど(逆にいえばあの時代にすくなからずゲームにはまった人はがっつりもってかれるんじゃないかと思う)、それでも物語世界の設定の巧みさ、ここぞ!というところで活きる伏線のうまさ(ボーナスライフ…!)、そしてジャパニーズ・ポップカルチャーを多少なりともかじったことのある人間なら胸熱にならずにはいられない!というキャラクターの登場に相当ブチ上がりました。いやもうね、誰がクライマックスにメカゴジラガンダムの対決がくるとか予想するよっていう。「俺はガンダムで行く!」はマジの名セリフ。あのガンダムのショット、ZZからの引用なんですってよ!かっこいいからRX-78にもさせたかったていう!最高か!!冒頭のレースシーンだけでもかなりのワクワク感ですよ、だってデロリアンだよ!?しかもそれがAKIRAの金田バイクとレースを争うとかさー!あと、シャイニングを見ておいてよかったとこんなに思った映画はないかもしれない(笑)。

しかも、この天才プログラマーにまつわる物語で、まだ名もなき時代に一緒に夢を語り合った友人と袂を分かってしまう、というのが通底してあって、最後の最後までそれが効いてくる展開、うますぎた。「あなたがばらのつぼみだ」って、そりゃペグちゃんはねー!確かにばらのつぼみー!ってなるし(ペグちゃん贔屓)、それこそウォズとジョブスみたいなこともどうしても連想しちゃうじゃないですか!か!

ほんとにあんなキャラこんなキャラが輻輳して、これ権利関係どないなってるんや…って心配になるぐらいだけど、さすがスピルバーグ御大って感じなのかなそこは。最終的なオチについてはいやもうちょっとなんか!と思わないでもないけど、それ以上にエモーショナルになれる場面がたくさんあって楽しかったです。私と同年代の御仁はぜったい見て損しないやつ!