「羅小黒戦記 ぼくが選ぶ未来」

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字幕版が日本公開されたのが昨年でしたか、その時はタイミングが合わず涙をのんだのですが、なんと吹替え版となって超拡大再公開!!ありがとうございます!!もとはwebアニメとして公開されていて、この映画はその前日譚にあたるらしいのですが、そのあたりの前知識は何も入れず徒手空拳で見てきましたよっと。私の見た回、なんと満席!1席飛ばしじゃないよ!スゴイ~~~

黒猫の妖精シャオヘイは自分が住んでいた森を森林開発によって追われ、「人間の街」であてどなく暮らしていたが、同族の妖精フーシーに助けられる。フーシーの仲間たちと楽しい一夜を過ごし、ここが自分の居場所だとおもうシャオヘイ。しかし、翌朝圧倒的な強さを誇るムゲンがフーシーを捕らえにやってくる。フーシーをかばい、そのために彼らと離れ離れになったシャオヘイは、ムゲンとふたりで館までの旅をすることになるが…という筋立て。

とにかくシャオヘイの造形がかわいいので、猫のときも変化しても人形でも最高にかわいいので、はーかわいい、シャオヘイかわいい…とか思ってたらだんだんアレ…これなんか…X-MENぽくない…?ってなってきて、妖精と人間との共存か、断絶かってのもそうだし、それぞれの属性で能力がわかれるのもそうだし、しかもその能力者同士のバトルへのストーリーテリングがむちゃ巧みだしで最高だった。最高の強者同士がその力を尽くして戦うに至る過程に無理がなく、しかもその能力バトルによる他者への被害という点においてもちゃんとストーリーの中で解決したうえでみせていて、隙がない~~!って感じでした。

フーシーはこの映画においてはヴィラン的な立ち位置になるかもしれないんだけど、ヴィランというには純粋な青年でありすぎて、ううう、お前さんにも幸せになってほしい…と思わずにはいられませんでした。とはいえ、目的は手段を正当化するか、という、古今東西手を変え品を変え問われてきたテーマがここにもあって、そしてフーシーは自分がいちばん忌み嫌った「力で他者から奪う」ことをシャオヘイに対して実行してしまっているので、そしてそのことをフーシー自身が誰よりもよくわかっているので…だからこそ「言い訳はしない」「考えたさ」なんだろう、なっていう…ていう!!!

ムゲン師匠とシャオヘイのふたりの道中はもう最高に夢しか詰まってないし、というかこのふたり、基本的に夢しかつまってない。料理の下手な師匠むたくた笑いました。落下するシャオヘイを師匠がノールックでつかんでそっと襟を直すとこむしょうに好き。これが前日譚ってことは「この先」がすでにあるってことなんですね…なんてことだ…マジで夢しか詰まってねえ…。でもフーシーや仲間と過ごした一夜にも、その刹那だからこその夢が詰まってっけどな!

終盤一気にいろんなキャラクターが出てきて、おおおなんかこれは…掘り甲斐のありそうなひとが…どんどこでてきてもうこっちキャパオーバーです!ってなったけど、その壮大な世界観がうかがい知れるところも含めて楽しかった。吹替えキャスト陣も満を持して!という盤石の布陣で最高でしたね。面白かったです!!