「市川猿之助 春秋座特別舞踊公演」

  • 春秋座 2階3列25番

大学開学30周年、春秋座開場20周年を記念しての特別興行。猿之助さん、亀治郎時代から縁の深い劇場ですものね。鷹之資さんと連獅子を踊られるというので、それはとっても見たいなァ~と思い、出かけてきましたよ春秋座まで。いつ来ても絶妙に遠い!

猿之助さんからのご挨拶のあと、澤瀉屋一門の皆さまで春秋三番叟。開場のときこけら落とし猿之助さんが舞われた、この劇場のための作品だそうです。5人で踊られたのですが、このフォーメーションの美しさ複雑さ、目を奪われました。思わず見入っちゃう楽しい舞踊。

最後は連獅子。猿之助さんと鷹之資くんのコンビは今回が初とのこと。間狂言がなかったこともあり、なんかあっという間だったな~。最近、若手(超若手含む)と組む連獅子が多くて、この場合どうしてもフレッシュなほうに視線と称賛がいきがちだし、私も今回は鷹之資くん目当てだったのですけど、それを受ける親獅子側のね、淡々とすごいことをやり続けることの凄みみたいなものを感じるようになった。この日も猿之助さんの、真新しさとか新鮮さとかそういうところではない、淡々と受け止め、同じことを爆発的なパワーを放出しながら舞台の上に居続けるその貫禄にほれぼれしちゃいましたね。
いやしかし、鷹之資くんの踊りは良い!わたし個人的に若手の中ではイチ押しです。あのぶれなさ、あの若さであの安定感、見るたびに好きだな~と思うし、首や手の動きひとつひとつがね~、ほんと、歌舞伎の首、歌舞伎の手だよなって思う。この先末恐ろしいなマジで。

冒頭のご挨拶で、猿之助さんが「灯りを消すのは本当に簡単、やめることは本当に簡単、でも一度消えたその灯りをもう一度灯すことは本当に難しい。もうこうした興行そのものが立ちいかなくなることだってあり得る」とお話され、京都での1か月興行も襲名以来来られていない、僕らはその灯りを消さないようになんとか頑張るけれど、でも僕らだけが頑張ってもだめで、お客様がやっぱり必要なんです。今日この場に足を運んでくださったお客様に感謝いたします、と仰っておられました。