「ブラックアダム」


ロック様主演のDC新作!監督は ジャウム・コレット=セラ。何をどうやってもこゆるぎもしない最強のアンチヒーローにロック様ぴったりすぎたし、なんかこうド派手なものが観たいなあ!という欲求は満足させてくれるのだが、しかしどうにも締まらんな…というのが見たあとの率直な感想。

締まらなかったのはやっぱりヴィランの造形つーか、ヴィラン周りの脚本の粗さなんじゃないかなーって気がします。いやヴィラン周りに限んないか…。そもそも冒頭の、カーンダックにおける神話としての救世主の話と、そこに出てくる「邪悪な」王冠のエピがあるのに、人間サイドの主人公ともいうべきアドリアナがその王冠を探し求めてる(そしてアドリアナの手により見つかる)のもどうなのかなという感じだった。アドリアナにはそれが悪用されることへの恐れがあったにせよ、率先して発見する動機としては弱い。

ブラック・アダムが純然たる善性のヒーローではないっていうのがこの物語のフックなのに、それを生かしきれてない感じもあったなあ~。ジャスティソサエティオブアメリカ(すげー名前だな、マジであまりにもアメリカすぎる)側の4人も魅力的なので、共闘にいたる(最終的には共闘にいたるだろうっていうのはもう自明の理なので)までのストーリーラインがもう少し魅力的だったらなと思わずにはいられません。ドクター・フェイトのキャラとか良すぎたもんな、実際。ピアース・ブロスナンマジで魅力的。サイクロンの能力のビジュアルの派手さ、美しさも結構お気に入り。

アモンがブラック・アダムの息子のように大衆を先導するところも、相手がゾンビというのは…それでいいんか!?っていうね。インターギャングを倒してこそなのでは?とはいえ、インターギャングをぶっ倒しまくるブラック・アダムを止めに来たホークマンたちにアドリアナが「さんざん搾取されてるときは顔を見せずにインターギャングを倒してくれるヒーローが現れてから出てくるのって調子よすぎねえか」的啖呵をきるところは面白かったな。ヒーローは体制的な悪には立ち向かわない。巨悪にのみ用がある。でも市民からしたら体制から救い出してくれる人こそヒーローって思っちゃうよね。

ポストクレジットシーンでまさに「最強」のスーパーマンが出てきて、うぉーーーカヴィルさんスーパーマンとロック様ブラックアダムの対決!!むちゃくちゃあがるやん!!!と思ったのに…そのすぐ後でカヴィルさんやっぱりスーパーマンから降板の報…ワーナー!!!ちょっと!!!朝令暮改がすぎる!!!インスタで嬉しそうに復帰を報告してたカヴィルさんの身にもなって!!!いやーユニバース構想を順調に回していくって大変なんですね…。