「守銭奴 ザ・マネー・クレイジー」

モリエールの代表作を佐々木蔵之介主演、シルヴィウ・プルカレーテ演出で。蔵とプルカレーテのタッグも恒例になってきたね。

どどどどケチのアルパゴンの金に執着するさま、マリアーヌを巡るクレアントも含めたやりとりなど、ストレートに「おもしろ」が勝つところもあったんだけど、個人的には今まで見たプルカレーテ作品のなかではちょっと乗っていけなかったなーという感想。終盤の展開とか、古典あるあるといってもいい流れだけど、全体的にファンタジー要素の強い演出と私の好みが合わなかったきらいがある。それにしても、実は生き別れになった○○展開が古典において頻出するの、洋の東西を問わないって面白いところですよね。

プルカレーテ作品常連の手塚とおるさんを始め、長谷川朝晴さん、阿南健治さん、壤晴彦さんらが周りを固める豪華布陣で、中でも壤さんの存在感すごかったな。フロジーヌとアンセルヌの二役だけど、どちらにおいても出てきただけで場を支配してたなーと思う。やっぱりプルカレーテ演出のような、わかりやすさありきというところから外れた作品のときって、ありとあらゆる現場で(時には理不尽に)応えてきた場数がものをいうところあるなと思いました。