結構覚悟して臨んだおかげか、実は結構楽しめました。楽しむっつー言い方は変なのか?いや、でも楽しかったです、ハイ。
小さいころギリシア神話が好きで(というか北欧神話も聖書物語もみんな好きだった)一冊の本を読み倒していたときの知識が、まさかこんなところで役だとうとは、という感じでもあり。私が読み倒していたというのはこの本。
- 作者: 山室静
- 出版社/メーカー: 社会思想社
- 発売日: 1962/07
- メディア: 文庫
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カバーも取れてボロボロになっているけれど、まだ手元にあります。イリアスを読むような本格派ではぜんぜんありませんが、ギリシア神話の人間的過ぎる神様たちのあれやこれやに多少なじみあったおかげで、劇中の長い説明台詞に飽きずにいられたというのは大きいかも。
だいたい、全能の神ゼウスからしてもうセクハラ大王ですからね、あのひとたち(笑)。ゼウスとヘラなんて諸星あたるとラムちゃんかっていう感じだし。だからアポロンが最後に出てきて一同ははーっ、な状況も、そりゃ「おいおいおい!」とツッコミつつもこの世界の枠の中ならアリな展開だなっていうか。
最後のアジビラは意見の分かれるところだろうと思いつつ、どうにか観客の心をゆさぶりたい、劇場に劇的なものを起こしたい、という蜷川さんらしいなあと。単純にインパクトあったしね・・・やっぱすごい劇的効果。
いわゆる嘆き節満開で、これが苦手な私は前半もうどうなることやら、って感じだったんですけど、テュンダレオスとオレステスが対峙するシーンで俄然集中力が復活。このシーンの藤原竜也すごかった!そのあとのメネラウスとの対決もいいし、ここだけでも「見た甲斐あった」って感じだったなあ。北村有起哉さんのピュラデスがそのあと出てきて舞台に一陣の風を巻き起こしてくれるし、後半はかなりノッて見れた感じ。
アポロンの声が寺泉さんで、なんだか妙にチープ感満載だったんですけど、狙いですよねやっぱあれは。
しかしたっちゃんにもうちょっと服を着せてあげてもいいのではないか・・・と「男は着てナンボ」派の私としては言いたい(笑)なんかさーもっとさーひらひらさせてみようよーせっかく見目麗しい殿方が揃ってるんだからさー←煩悩あふれすぎ
まあしかし、思ったより楽しく見れたとは言っても、これは下手な役者だったら地獄だな!と思ったのも真実。コロスがひとりひとり喋るところで(集団だと誤魔化しきくんだけど)何度か椅子からずり落ちそうになってしまいましたよ。それを思ったら中嶋朋子さんもたっちゃんもほんとすげい、と思いますです。