髑髏城の七人@青山劇場

大阪で観たときは初日あけてまもなくだったので、役1ヶ月ぶりの髑髏城登城でございます。青山劇場ひさしぶりな気がする。そして久しぶりに来たらトイレの数が増えてましたね。よいことであーる。

メタルさんが抜けたぶんの修正もふくめてマイナーチェンジはありましたが、大幅な演出の変更はなさそうな感じでした。そして当たり前かもしれないけれど確実に良くなっていると思う!見終わったあとの満足感は段違いといってもよかった。

そういう風に感じた一番の要因は、やっぱり兵庫がぐっと押してきてるからだろうなーと思います。勝地くんすげーよかった。ほんと、「橋本じゅん=兵庫」原理主義の私でも賞賛しないではいられないって感じ。ひさびさにアンケートに書き殴ったわ!何がいいって、回りがついてこようがこなかろうが関係無い、と言わんばかりのパワーと、あのスベリ芸とも言える数々の暴走機関車ぶりがちゃんとヒットに繋がっているというか、確実に笑いにしていってる、そのうえであのカタルシス満開のシーンに繋がる、という流れができていたことだと思う。

小栗くんの捨はますます古田の作った捨之介の造型とは離れていて、だからこそまったく別物として見られるし、後半は台詞に気持ちがとてもよく乗っていて胸打たれるシーンがいくつもありました。やーよかったよ。主要三人の中では殺陣という面でものすごいハンデがあったと思うけど、ちゃんと雪駄でやり通した君はえらい。

太一くん、うーん、いやもう殺陣の見事さはほんとに口を開けて見とれるしかない、ってほどですが(特に登場シーンでの殺陣の速さ尋常じゃない)、芝居の面でいまいちこう…ボールがこっちに来ない!という感がねえ。そういえば月夜の立ち回りのシーンで刀を取り落とすというハプニングがありましたが、さらっとフォローしていてさすがでした。

未來くんはますますマッド化が進んでいてどうしたことかと思いましたが(笑)相変わらず動きのひとつひとつの完璧さには惚れ惚れ(マントをあれだけ美しく見せられるというのは相当な身体能力の高さ)。

今回の天魔王の造型で今までと一番違うのは、途中蘭兵衛と殺陣をしながらの口説きにかかるシーンで言う「毎日が生きるか死ぬかだった、あの空気の中に戻りたい」って台詞に集約されている気もしますね。命のやりとり、そのスリルの中でしか生きられない男。

太一くんと未來くんが殺陣をしながらのこのシーンはほんっとに見応えがありますが、しかし天魔の媚薬のエロさ加減でいくと97年の方が相当にエロかった気がします…綺麗なのは俄然今回の方ですけど(ヒドイ)。そうね、そういえばエロ要素が薄いよね今回の髑髏。

今回はわりとセンターに近い席で見られたのでそれもよかったかな。やっぱり最後の7人のショットは正面で見た方が断然美しいですよね。

7年後にふたたび髑髏城が帰ってくるのか、こないのかはわかりませんけど、以前いのうえさんが仰っていた「アテルイ」を歌舞伎役者だけで、っていうのを髑髏城にあてはめたらどうなるのかなーとか、考えるのも楽しみのひとつですよね。あと今回の再演で一番実感したのはですね、ほんっと7年て、短いようであっという間!ってことです(笑)