「夢の劇」

大学時代の友人と昨年暮れに会った時に、実は田中圭さんにめちゃくちゃずっぱまっていて、旦那に内緒でDVDやら雑誌やらを集めまくっているのだ…みたいな話になり、そんな好きなのに「今度舞台あるけど、行ったことないから…」と言うのでんじゃーチケットとろっか?と一緒に足を運ぶ次第に。友人の希望でアフタートークつきの回を見ました。

そのアフタートークで白井さんも「難解なストリンドベリの本を…」と言っていたように、そして台本が圭史さんであることからわりと想像はつきましたが、まあそれほど食べやすく調理された感は薄かったですね。とはいえ、こういった「世界を俯瞰」するキャラクターが出てきて、かつ登場人物の中に「詩人」とか「作家」がいると、ああ、この詩人の描いている詩の世界の話なのね…とかあたりをつけて見てしまう習性が。

KAATや松本では三方囲みの舞台にしたそうですが、兵庫では劇場の構造上プロセニアムにしかならず、これは三方ないしは四方囲みで見た方が面白い舞台だろうなあとは思いました。ダンサーが手前と対角線上に配置されるんだけど、その配置は客席が囲んでいるからこその効果だよなという感じ。

しかし、このメンバーの中にあっては、山崎一さんのうまさが際立つなと思いました。早見あかりちゃんもぜんぜん悪くないけど、あかりちゃんだけでなく他の誰よりも舞台の上での自由度が山崎さんはズバ抜けてるんですよね。理屈に沿った食べやすい芝居だとある程度流れで見せきることができる部分もあると思いますが、こうした変則的な構成での瞬発力という点もふくめてキャリアの力をひしひし感じました。

アフタートークではあかりちゃん、田中圭さん、白井さんが登壇。田中圭さん、なんとなーく落ち着いた物腰の人を勝手に想像していたんだけど、めっちゃ元気な若者でした(笑)あかりちゃんと2人白井さんをいじる時の楽しそうな顔ったら!なんか注文があるとしたら、って振られて「もっと前半から喋りたかったなあ〜!」と仰ってて笑いました。白井さん、KAATの芸監になったので、この兵庫芸文のホールにはこれからもお世話になります…と言いながら「アッでも次にお世話になるのは世田パブの芝居なんですけど!」と絵に描いたようなテヘペロをしてらっさいました。かわうい。